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消防隊員制服を再利用 ぬいぐるみ製作、販売へ 茨城・日立市 商業、福祉施設と連携

廃棄される消防隊員の制服で作った熊のぬいぐるみの試作品。9月上旬にも販売を始める=日立市内
廃棄される消防隊員の制服で作った熊のぬいぐるみの試作品。9月上旬にも販売を始める=日立市内


茨城県日立市消防本部は、消防隊員が数年間の着用後に廃棄している制服を再利用し、防火意識を高めるぬいぐるみグッズを製作する。市内の商業施設「ヒタチエ」と協力し、まずは100着分を提供して、障害者施設に製作を委託する。火に強い難燃性素材を加工するため、「火の用心」の啓発品として、9月上旬にも発売したい考えだ。

ぬいぐるみは、廃棄物に付加価値を持たせて生まれ変わらせる「アップサイクル」の製品。素材は消防隊員らが着る活動服や救急服、救助服で、これまでは3~5年の使用後に廃棄してきた。若手職員の発案で新たな製品に再生することを決めた。消防用の服を別の商品にするのは県内自治体では初という。

ぬいぐるみの名称は「火の用心のくま ヒノカミベアー」。愛らしい熊の姿で、長年にわたり市民と消防士の命を守ってきた消防用の服ということから、「火の神」とかけた。

製品化までの仕組みは、消防本部が服の素材を、ヒタチエ管理運営会社「リテールプロパティーズ」に提供。同社は障害者就労支援施設「スマイロン日立」(同市河原子町)に製作を委託する。できた製品はヒタチエ特設会場や「コープ日立店」などで販売する。

ぬいぐるみは高さ約25センチで、1着の服からは3体ほどできる。障害者施設では1体ずつ手作りするため、製作期間は2カ月間を見込む。

販売は第1期を9月上旬に、第2期を11月上旬に、それぞれ50体限定で始める。予定価格は税込み2000円。売り上げの一部は義援金として被災地に贈る。

市消防本部では、廃棄物の削減による環境負荷の軽減や持続可能な開発目標(SDGs)にもつながると指摘。担当者は「火の用心の願いを込めた安全安心の象徴として、火災予防啓発などに使ってもらえれば」と期待を込めた。



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