《2025 参院選》43市町村 投票繰り上げ 茨城県内、「期日前」が定着

20日投開票の参院選で、茨城県内44市町村のうち43市町村が公職選挙法で「午後8時まで」とされる投票終了時間を1~2時間繰り上げることが7日、県選挙管理委員会のまとめで分かった。繰り上げを実施する県内投票所の割合は98.2%に上る。期日前投票の定着などを背景に、投票時間を短縮する動きが進んでいる。
公選法は投票所の開閉時間を「午前7時に開き、午後8時に閉じる」と定める。有権者の投票に必要と認められる場合や投票に支障がないと認められた場合、投票開始は「2時間以内の範囲で繰り上げや繰り下げ」、終了は「4時間以内の繰り上げ」を認めている。
今回の参院選では県内44市町村の全投票所1337カ所のうち、1313カ所が1~2時間の繰り上げを実施する。投票所の閉鎖を「午後6時」としたのは日立や土浦、古河、石岡など38市町村の1101カ所、「午後7時」としたのは水戸、龍ケ崎、つくば、稲敷、境の5市町の212カ所。残る牛久市の24カ所は繰り上げを実施しない。
県選管によると、県内全市町村の投開票時間が確認できる最初のケースは2006年の県議選で、全投票所のうち繰り上げの割合は26.4%だった。これ以降、導入は拡大し、昨年10月の衆院選では96.7%を占めた。総務省によると、同衆院選の繰り上げ率は全国平均で39.2%。県内では「繰り上げが広がっている」(県選管)状況にある。
要因には期日前投票の浸透などが背景にあるようだ。県選管によると、今回の参院選で、公示翌日から投票日前日までの計16日間開設する期日前投票所は44市町村の計112カ所。このほか、大型車両を使った移動期日前投票所の設置なども進む。
守谷市選管は期日前投票の定着に加え、「9割が投票日当日の午後6時までに投票を済ませている」とし、2時間の繰り上げを決めた。投票機会確保のため、期日前投票所をこれまでの市役所に加え、新たにイオンタウン守谷(同市百合ケ丘)にも2日間設置するなどして対応する。
県内で唯一、繰り上げを実施しない牛久市選管は「近隣の市町村が繰り上げているのは承知しているが、公選法の原則通りに投票所を開設する」としている。