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自殺防止へ理解深める 「命の門番」学ぶ 常磐大生70人が特別講義 茨城・水戸

常磐大で開かれた自殺対策の特別講義=水戸市見和
常磐大で開かれた自殺対策の特別講義=水戸市見和


学生たちに自殺問題について考えてもらう特別講義が8日、茨城県水戸市見和の常磐大で初めて開かれた。同市保健所の社会福祉士らが講師を務め、出席した同大人間科学部現代社会学科の1年生ら約70人が自殺の現状や主な要因のほか、「命の門番」と位置付けられるゲートキーパーの役割について理解を深めた。

同保健所によると、同市の自殺の現状は、コロナ禍の影響もあり、近年は30~50人台で推移している。20代以下の若い世代の自殺も増加傾向にあるという。主な要因は仕事、人間関係、経済問題などが上位を占めている。

講義では、自殺について「自分だけは大丈夫だと思ってはいけない。自殺リスクは誰にでもある」と指摘。悩みに気付き、話を聞き、心を支えるゲートキーパーが果たす役割の大切さについて説明した。

ゲートキーパーは特別な資格を必要とせず誰でもなれるとした上で「つらい気持ちに寄り添って、じっくりと話を聞くことが役目」と強調。相手の話を傾聴する大切さについて指摘し、「気持ちを受け止め、共感し、一緒に考える姿勢が大事。異変のサインを見逃さないでほしい」と呼びかけた。

受講した渡辺瑠唯さん(18)=同学科1年=は「自分がよかれと思っていても相手にとっては悪影響になることもある。相談に乗る時は相手を否定せず、しっかり話を聞いて理解することが重要だと学んだ」と話した。

過去に自殺に関する講演を聞いた経験がある同学科1年の鈴木千夏さん(18)は「相手の話に耳を傾ける大切さは理解していたが、自殺のリスクを確認したり、専門家につないだりすることまでは考えが及ばなかった。今後に生かしたい」と語った。

自殺問題を研究する同学科の小森田龍生准教授は「夏休み明けは自殺リスクが高まる。一人一人がゲートキーパーとして注意深く見守ってほしい」と話した。



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