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米、日本へ関税25% 不透明感に心配の声 茨城県内企業

米国にも輸出される自動車部品を製造する島田製作所の工場=常総市坂手町
米国にも輸出される自動車部品を製造する島田製作所の工場=常総市坂手町


トランプ米大統領が日本からの輸入品に25%の関税をかけると表明したことで、対米輸出を手がける茨城県内の企業や団体は、先行き不透明な事業に気をもみ、不安や心配の声を上げた。

プレス加工業の島田製作所(常総市)は、自動車エンジンの部品などを製造し、国内の部品メーカーに納めている。中西隆之社長(58)は「二重、三重の困難が押し寄せている」と苦境を吐露。自動車部品には5月から25%の関税がかけられているほか、材料費の高騰や賃上げの波が打ち寄せる。

横浜税関鹿島税関支署によると、2024年の県貿易概況で米国への輸出品目は自動車や建設用・鉱山用機械など多岐にわたり、前年比9.1%増の1兆1061億円。国別の輸出額としては米国が最も多く、対日関税の影響は計り知れない。

国内自動車メーカーに部品を納める県南地域の製造業者は「(メーカーの)製造量に従って、生産調整するかもしれない。先行き不透明感が強い」とし、今後に不安を隠せない様子。

県常陸牛振興協会(茨城町)は4~6月の3カ月間、海外に常陸牛を27トン輸出。うち23トンが米国向けだ。相互関税上乗せ分の停止期限が8月1日まで延長されたことで、同協会の谷口勇事務局長(74)は「ありがたい」と一息ついた。ただ、追加関税の行方に振り回される状況は長期化。「さらに関税率が上がると注文にブレーキがかかり、(輸出量が)激減するのでは」と心配は尽きない。

■流通経済大学経済学部 一ノ渡忠之准教授(国際貿易論)の話 交渉の長期化が重要

トランプ米大統領は当初、30~35%としていた。「日本が粘り25%になった」という見方ができる一方、トランプ氏は同盟・友好国でも「1%上げる」というスタンスを見せた。交渉をどれくらい長く持たせられるかが今後のポイント。日本全体の中小企業に言えるが、産業界は現状を把握し、日本政府に訴え、交渉を長期化することなどが重要だ。中長期的には米国依存でなく、アジアや南米など新市場を開拓することが課題となる。



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