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母体急変 医師ら訓練 笠間で県産婦人科医会 スキル向上へ研修会 茨城

医師や助産師などが母体急変時の対応法を学んだ研修会=笠間市鯉淵
医師や助産師などが母体急変時の対応法を学んだ研修会=笠間市鯉淵


妊産婦の死亡を食い止めようと、母体急変時の対応を学ぶ研修会が、茨城県笠間市鯉淵の県立中央病院で開かれた。医師や助産師、救急救命士などが参加し、出産時に起きる可能性があるさまざまな疾患に対して、事前準備から初期対応、救急搬送までの実践的なトレーニングに取り組んだ。

6日に開かれた研修会は、産婦人科医や麻酔科医、助産師、看護師、救急救命士らのスキル向上や連携強化を図るのが狙い。県産婦人科医会(青木雅弘会長)が約8年前から実施している。

この日は県内外から参加した50人余りが、母体救命のために策定された「J-MELSベーシックコース」に取り組んだ。

開催に当たり、同会の長田佳世副会長は、母体急変を初期段階で抑えるには①早期認識②即時介入③事前準備-の三つが重要として、「個人のスキルアップが所属施設、地域全体のレベル向上につながる」と述べた。

参加者はその後、グループごとに分かれ、敗血症やアナフィラキシーショック、麻酔中毒などのシナリオに沿って母体救命の対応を実践。会場では、事前準備や状況共有を図りながら「酸素吸入します」「救急搬送お願いします」などと声をかけ合う姿が見られた。

参加した水戸赤十字病院の助産師、増田幸美さんは「未経験の事例も学べた。対応はチームワークが大切なので、今後も訓練を積み重ねたい」と話した。

また、別フロアでは救急救命士を対象にした新生児蘇生法の研修も実施。県立中央病院小児科の斎藤誠医師による指導の下、参加者は心停止新生児への人工呼吸の手法を学んだ。斎藤医師は「新生児は生まれてから5分で息ができないと死亡か寝たきりになる。その5分を乗り越えるための知識を学んでもらえれば」と語った。



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