《2025参院選》上月、桜井、小沼3氏争う 茨城県内終盤情勢 2議席巡り激戦

20日投開票の参院選で、茨城新聞社は茨城県内有権者を対象とする共同通信社の世論調査(13、14日)に独自取材を加味し、現新8人が立候補した茨城選挙区(改選数2)の終盤情勢について分析した。2議席を巡り、自民現職の上月良祐氏(62)=公明推薦=と、参政新人の桜井祥子氏(41)、立憲民主現職の小沼巧氏(39)の3人が先行して激しく争う展開。ただ、回答者全体の2割が誰に投票するか決めておらず、情勢が変わる可能性もある。
先行する上月、桜井、小沼3氏を、日本維新の会新人の北崎瀬里奈氏(35)と共産新人の高橋誠一郎氏(30)が懸命に追う。ほか3氏は苦戦している。
上月氏は自民県連や県議団などからの支援を受け、回答者全体の3割を占める自民支持層の6割弱を固めた。推薦を受けている公明支持層からも7割の支持を集める。県内全域で安定した支持を得ており、特に県北や県西、鹿行の各地域で浸透が進む。60代以上の支持が高い。
桜井氏は参政支持層の9割弱を集め、国民民主支持層の4割にも浸透している。無党派層からも支持を得るほか、自民にも食い込む。水戸市を中心とした県央地域や土浦、つくば市などの県南でも支持を集める。10~50代の各世代で先行している。
小沼氏は立民支持層の7割超をまとめ、無党派層にも浸透。連合茨城から推薦を受け労働組合の組織票を集めるほか、共産やれいわ新選組支持層にも食い込むものの、国民支持層への浸透は2割弱にとどまる。鹿行地域の支持が高く、60代以上の支持も集める。
維新新人の北崎氏は維新支持層の5割に浸透し、県南地域からの支持をやや集める。共産新人の高橋氏は共産支持層の6割超を固め、社民からも支持を受ける。県央地域の一部で支持を得る。
ほか3氏は苦しい戦い。無所属新人の牧山康志氏(65)は県西、政治団体「NHK党」の酒井明男氏(50)は県南、政治団体「日本改革党」の石井憲一郎氏(58)は県北のそれぞれ一部に浸透しつつあるが、いずれも広がりを欠く。
支持政党のない無党派層は回答全体の2割弱で、このうち4割近くが投票先を決めていない。投票率の行方や無党派層の動向次第では、情勢が大きく変わる可能性がある。