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旅情を誘う多彩な絵画 茨城の名所も見どころ 16日から 県近代美術館で企画展 

東山魁夷の「白夜光」を解説する高田紫帆主任学芸員=水戸市千波町
東山魁夷の「白夜光」を解説する高田紫帆主任学芸員=水戸市千波町


江戸後期から現代に至る旅にちなんだ絵画を集めた企画展「旅にまつわる絵とせとら-歌川広重から東山魁夷まで-」が16日、茨城県水戸市千波町の県近代美術館で開幕する。歌川広重の浮世絵「東海道五拾三次」をはじめ、昭和を代表する日本画家の一人、東山魁夷による北欧の風景画、茨城県の名所を描いた作品まで、旅情を誘う多彩な絵画約200点(展示替え含む)が並べられている。

古くから画家は、時代ごとの出来事や社会的な動向に触発され、思いを旅の風景の記憶と共に作品の中に込めてきた。明治以降であれば、近代化の進展とともに急速に発達した鉄道、昭和初期に新聞社が主導した「日本新八景」の選定による名所ブーム、さらには戦時下での聖地巡拝の流行などは、作家の創作に強い影響を与えたとされる。

本展では、広重が江戸後期に描いた浮世絵「東海道五拾三次」を筆頭に、日本画の巨匠、横山大観が明治期にインド取材で出会った女性たちを描いた「流燈」、「国民的画家」魁夷がフィンランドの針葉樹林をモチーフにした「白夜光」などが一堂に展示されている。袋田の滝や筑波山、水郷地域など茨城県の風景を捉えた作品も見どころとなる。

関連として、日本初のグラフィックデザイナーとして知られる杉浦非水が装丁を手がけた旅行雑誌「ツーリスト」や、「大正の広重」と称された吉田初三郎による鳥瞰(ちょうかん)図の観光案内などの史料も紹介されている。

開幕を前に同館で15日、内覧会が開催。高田紫帆主任学芸員は「来たる夏休みを意識し、旅の変遷に注目しながら素晴らしい風景画などを集めた。展覧会場でぜひ旅気分を味わってほしい」と呼びかけた。

会期は8月31日まで。月曜休館。7月21日、8月11日は開館、翌日休館。同館(電)029(243)5111。



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