若手農家 多角化経営学ぶ 農業「可能性は無限大」 水戸で講座 茨城

農業経営の革新に挑戦する若手農業者を対象とした講座「ヤングファーマーズ・ミーティング」(茨城県などが主催)が16日、同県水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館で開かれた。露地野菜の生産など多角化経営を展開する「鈴生(すずなり)」(静岡県)の鈴木貴博社長(49)が「農業の可能性は無限大」と題して講演し、家族経営から年商13億円企業への道のりや苦労などを話した。若手農家や農業を学ぶ高校生ら約210人が熱心に耳を傾けた。
鈴木社長は、幼少期に農業を生業とする父親を見て「(もうからないので)絶対にやらない」と考えていたものの、農業の可能性を感じて25歳で親元就農。32歳で同社を設立し5年で年商1億円を突破した。露地野菜や物流・太陽光型植物工場などを手がけ、多角的な経営を行っている。
まず、これまでに2回の経営危機にさらされたことを紹介。経営理念「おいしさを求めて」について説明し、「野菜の『言葉』に耳を傾け、成長の手助けをしたことで、売り上げが伸びた」と振り返った。
さらに、野菜は種まき前に全量を契約栽培したり、取引先に対してどのようなレタスが欲しいかを調査したりしていることを明かし、「誰を対象に栽培しているかが大事」と述べた。
最後に「苦難が来れば、大きな飛躍のチャンス。強い逆風でも悩み、行動して」とエールを送った。
参加した水戸農業高農業科3年、高橋梁さん(17)は「成功面だけでなく苦労も知ることができた。将来の参考になった」と笑顔を見せた。