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アプリ開発、万博で披露 水戸工高・宍戸さん 音声識別で詐欺防止 茨城

大阪・関西万博のデジタル学園祭で作品発表に臨む宍戸智春さん=水戸市元吉田町
大阪・関西万博のデジタル学園祭で作品発表に臨む宍戸智春さん=水戸市元吉田町


茨城県立水戸工業高(同県水戸市元吉田町)の情報技術科3年、宍戸智春さん(18)が開発した音声識別型の詐欺防止用アプリが、大阪・関西万博の会場で19、20日に行われる「デジタル学園祭2025」でお披露目される。情報技術(IT)を駆使したデジタル作品を発表する同学園祭「全国情報教育コンテスト」(全情コン)で準優秀賞に輝いた。宍戸さんは「とても貴重な機会。世界の人たちにアピールしたい」と意気込んでいる。

同学園祭は、若者たちが開発したデジタル技術を発表し、世界に発信する場として開催。全情コンで上位に入った全国の高校生らが集い、作品やパネルの展示ブースを設け、来場者に研究成果を解説する。

宍戸さんが開発したアプリは、電話の音声から通話者を識別し、ニセ電話詐欺を防ぐシステム。家族の声紋を登録することで電話の相手を判別できる。さらに、アプリに登録したアドレスに確認メールを自動送信し、2段階セキュリティーで詐欺を防止する仕組みだ。

クラスメートの祖母に詐欺電話がかかってきた話を聞き、何か対策できないか考えたことが開発のきっかけ。昨年9月ごろから開発を始め、主に部活動の時間を使って作業し、約半年かけて完成させた。

「アプリ開発は初めてだったので大変だった」と宍戸さん。声紋を数値化するプログラミングの過程で、アプリ用に指示変換する作業に苦戦したが、友人から借りた専門書やインターネットなどで学び、課題を解決していったという。

全情コンでは1次書類審査を通過し、今年3月下旬の最終審査会に進出。東京・渋谷の会場で審査員を前にプレゼンテーションを行い、審査の結果、準優秀賞に輝いた。

宍戸さんは「最優秀賞を狙っていた。あと一歩届かず悔しいが、全てやり切った。結果には満足している」と笑顔。同科3年担任の鈴木嘉春教諭(48)は「とても優秀な生徒。自ら積極的に取り組み、チャレンジ精神も旺盛で、その成果が出た」と太鼓判を押す。

万博での発表を控え、宍戸さんは「他の高校生たちと情報交換したり、最先端技術を学んできたい」と目を輝かせる。鈴木教諭は「とてもいい経験になる。一つの実績として今後の進路に生かしてほしい」と話す。

宍戸さんは現在、アプリの機能アップに向け、人工知能(AI)を駆使した研究を進めているという。「AIを活用して課題を解決できる技術者になりたい」。将来の夢の実現へ、探究心は尽きない。



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