《みと・まち・情報館便り》鴨川さん カラフル絨毯展示 水戸で22日から 障害者芸術家展で入賞

さまざまな色の毛糸をネットに絡めて、感じたまま、丁寧に編み込んだカラフルな「絨毯(じゅうたん)」。世界中の障害のあるアーティストたちの作品を展示する公募展で、「模様」の作品名で入賞した鴨川尚美さんの手芸作品だ。22日から茨城県水戸市南町2丁目の水戸証券ビル1階ホールで特別展示される。
鴨川さんは、中度・重度の知的障害のある人が通所する同市吉沼町の障害福祉サービス事業所・ユーアイファクトリーに、6年前から通っている。
ユーアイファクトリーは隔年で開く「Tシャツアート展」が人気を集め、第5回目の今年5月は、3日間で500人以上が来場した。今年初めて、茨城新聞みと・まち・情報館(水戸証券ビル1階)とも連携。22日から日頃のアート活動を紹介する小規模なTシャツ展を開くことになり、絨毯も特別展示されることになった。
平らに延ばした粗めのネットに好きな色の毛糸を通し、ぐるぐる円を描くように編んでいく。カラフルなランチョンマットのようなものができて、それをどんどん、つなぎ合わせていったら、大きくなっていった。最長部分は4メートルに及ぶ。
鴨川さんは、手芸が得意。配色や編み方は、その時の気持ち次第。円形模様も日によって変化していく。全体像も一見いびつだが、これが鴨川さんの形。1年かけて仕上げ、「第5回日本財団DIVERSITY IN THE ARTS公募展」(2022年募集)で入賞を果たした。
2年前、エッセイスト・内田也哉子さんが語りを担当するNHK・Eテレの人気番組「no art、no life」でも取り上げられた。
鴨川さんを見守ってきたサービス管理責任者の中田真也さんと生活支援員の楠見達生さんは「昼休みも休まず、ずっと、楽しく編んでいた」と笑顔で話した。
水戸証券ビルで観覧できるのは31日まで。平日午前10時から午後5時。入場無料。問い合わせはみと・まち・情報館(電)029(306)9500(平日午前10時~午後5時)。