参院選茨城選挙区 自民・上月氏3選 参政・桜井氏が初当選 立民・小沼氏敗れる

参院選は20日、投開票され、現新8人が争った茨城選挙区(改選数2)は、自民党現職の上月良祐氏(62)=公明党推薦=が強固な組織力に支えられ、トップで3選を果たした。2議席目は参政党新人の桜井祥子氏(41)が党の勢いをバックに、立憲民主党現職の小沼巧氏(39)を抑えて初当選を確実にし、1995年以降続いてきた自民と旧民主党系で分け合う「指定席」の一角を切り崩した。
投票率は54.67%で、前回2022年を7.45ポイント伸びた。参院選で50%を上回るのは、16年以来。
上月氏は経済産業副大臣や党農林部会長などの豊富な経験を踏まえ、2期12年の実績に裏付けされた政策を訴え、議席を守った。得票は40万票台にとどまり前回19年の約50万票を大きく下回ったものの、与党への逆風が吹く中で党所属の国会議員や県議団、職域・地域支部、市町村長などが結束。連立を組む公明党の推薦も受け、県内における組織の底力を見せた。
桜井氏は躍進する党の勢いを追い風に、無党派層や若年層を中心に支持を取り込んだ。参政が県内の国政選挙で議席を獲得するのは初めて。2番手争いが激しさを増した選挙戦の中盤以降には神谷宗幣代表が2度にわたり来県しててこ入れを図るなど、政権批判票や保守層、野党支持層なども含め、幅広い受け皿となった。
小沼氏は終盤、党幹部が相次ぎ駆け付けるなど底上げを図ったが及ばなかった。推薦を受ける連合茨城や、国民民主党所属の議員らも街頭で応援するなど「2党1団体」による戦いを展開したものの、30年間にわたり死守してきた旧民主系の議席を明け渡した。
日本維新の会新人の北崎瀬里奈氏(35)は社会保険料引き下げや手取り増などを訴えたが、無党派層の受け皿になれなかった。
共産党新人の高橋誠一郎氏(30)は消費税減税や東海第2原発の再稼働反対を掲げたが、他党からの支持が集まらなかった。
無所属新人の牧山康志氏(65)、政治団体「NHK党」新人の酒井明男氏(50)、政治団体「日本改革党」新人の石井憲一郎氏(58)は支持を広げられなかった。
■茨城選挙区立候補者(改選数2、選管最終)
当417601 上月良祐 62 自現=公明推薦
当308772 桜井祥子 41 参新
280716 小沼巧 39 立現
102445 北崎瀬里奈 35 維新
66866 高橋誠一郎 30 共新
36529 牧山康志 65 無新
16771 酒井明男 50 諸新
15148 石井憲一郎 58 諸新
【上月良祐(こうづき・りょうすけ)氏の略歴】
自民党農林部会長。当選3回。[元]経済産業副大臣兼内閣府副大臣、農林水産委員長、農林水産大臣政務官、県副知事、内閣官房副長官秘書官。東京大卒。水戸市五軒町
【桜井祥子(さくらい・しょうこ)氏の略歴】
IT・教育関連会社役員、党県国政改革委員。当選1回。[元]IT企業社員、ITエンジニア、ITベンチャーCTO(最高技術責任者)。東北大卒。龍ケ崎市佐貫
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