参院選茨城選挙区 桜井氏 指定席崩す 参政、追い風乗る 若者、子育て世代に浸透

現新8人が争った参院選茨城選挙区(改選数2)は、自民党現職の上月良祐氏(62)=公明党推薦=がトップで3選を果たした。2議席目には参政党新人の桜井祥子氏(41)が党の勢いを背景に初当選、1995年以降続いてきた自民と旧民主系で分け合ってきた「指定席」の一つを奪取した。立憲民主党現職の小沼巧氏(39)を含め、6人は及ばなかった。
桜井氏は午後8時20分ごろ、つくば市倉掛の選挙事務所に到着。同11時過ぎ、当選確実の一報が入ると、党関係者一人一人とがっちり握手した。17日間の選挙戦を戦い抜き「私自身の力でなく、皆さんのおかげ。ここからがスタート。一生懸命訴えたことを現実にするためにやっていく」と笑みをこぼした。
選挙戦では、党のキャッチコピー「日本人ファースト」を訴え、外国人の受け入れ見直しや減税、子ども1人につき月10万円の少子化対策など党の公約を主張した。
遊説はつくばや水戸を中心に県内をくまなく回り、夜は個人演説会を開催。陣営もユーチューブやSNS(交流サイト)で活動情報を発信し、X(旧ツイッター)のフォロワー数は公示前の2.3倍の1万1472人まで拡大。インターネットの情報に慣れた若い世代を中心に、浸透を図ることに成功した。
党代表の神谷宗幣氏は2度も応援演説に入り、てこ入れを図った。13日の1回に加え、接戦の終盤情勢を見て、選挙戦最終日に再び来県。陣営が公示前に掲げた目標20万票を大きく上回る結果に結び付けた。
同党は2022年5月に県内組織を発足し、これまでに6支部を立ち上げて党勢を拡大。党所属の地方議員として、笠間、水戸、那珂で3人の市議を誕生させている。
桜井氏の国政挑戦は2度目。昨年10月の衆院選茨城3区に党公認として出馬する予定だったが、公示直前に選挙区を東京1区に変更。同区から立候補し、落選した。
それからわずか9カ月での再挑戦。神谷氏のメディアへの露出が増える中で選挙戦に突入し、「行く先々で支援者が集まる。参政党の知名度が上がった証拠。前回の衆院選の時とは全く違う」と手応えを口にしていた。
選挙戦最終日、神谷氏のJR水戸駅南口での演説にはSNSで参政党を知った人も集まり、「桜井祥子でジャイアントキリング(番狂わせ)」と声を張り上げた神谷氏に大きな拍手が送られた。
桜井氏は選挙戦を振り返り「特に若い世代、子育て世代の支持を得たと思う。地道に活動にした結果」と強調。国政では「減税と積極財政を優先に取り組みたい」と意欲を見せた。