偕楽園 ヘイケボタル放つ 小中生、定着願い込め 茨城・水戸

茨城県水戸市の偕楽園でホタルが生息できる環境整備に取り組む県は16日夜、同市千波町のThe迎賓館偕楽園別邸南側の湿地帯「蛍谷」で、ヘイケボタルを放虫した。環境団体「逆川こどもエコクラブ」で活動する小中学生が参加し、舞うように飛び立つ成虫約20匹の光に定着を期待する思いを込めた。
県は偕楽園の魅力向上を目指し、2023年度からホタル生息の環境づくりを推進。放虫は昨年始め、今年6月もゲンジボタルを放った。今回のヘイケボタルは体長約1センチ。同クラブが千波湖近くの逆川緑地で生息を増やした成虫の一部と卵約1000個を提供した。
同クラブ所属で市立水戸二中1年、久米樹(たつる)さん(13)たちが水辺のコケに卵を付けた後、日暮れを待って放虫。手に乗せた成虫はしばらく手や腕に止まっていたが、やがて光を点灯させながら舞い上がった。
昨年から同クラブの活動に参加している市立石川小3年、松本明佑美さん(9)は「(ホタル定着に向けて)もっと保全活動をしていきたい」、久米さんは「自分たちが守ってきたホタルが広がっていくのがうれしい」と、それぞれ話した。