虐待保護の子ども代弁 社団法人、設立シンポ 支援員養成目指す 茨城・水戸

子どもの主体的な声に耳を傾け、必要に応じて社会に伝達したり代弁したりする支援活動「子どもアドボカシー」を広めるため、一般社団法人こどもアドボカシーセンターいばらき(中井聖代表理事)が設立された。将来的には地域の意見表明支援員(アドボケイト)の養成を目指す。
同法人は市民など17人やNPO法人2団体がメンバー。昨年2月に開かれた講演会で国連の「子どもの権利条約」を学んだメンバーが勉強会を重ね、5月に茨城県水戸市で設立した。
虐待などによる一時保護や施設入所した子どもたちの措置の際、これまでは子どもの意思を十分に反映してこなかった。2024年の改正児童福祉法の施行に伴う制度変更で、一時保護や施設入退所などの際には子どもの意見を聞くことが義務付けられた。
全ての子どもの権利を守るため、同法人はアドボカシーの視点を持った人に子どもたちが接触し、支援を受けられる環境の整備を目指す。各地域で支援員を増やす活動にも取り組む。
設立記念シンポジウムが7月20日、同市三の丸1丁目の水戸生涯学習センターで開かれた。オンラインを含めて約70人が参加し、同県筑西市の設楽詠美子市長も出席した。
シンポでは「こどもまんなかを支えるアドボカシーと市民性」をテーマに、有識者3人が登壇し発言した。NPO法人ピーシーズの斎典道代表理事は市民が子どもたちと関わる上で「個人として体験や感情の共有を重ねていくことが大切」と強調した。