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消防操法大会、隔年に 茨城県内6地区 負担軽減で団員不足対策

全国消防操法大会に向けて練習する消防団員=昨年9月、取手市内
全国消防操法大会に向けて練習する消防団員=昨年9月、取手市内


消防団員のなり手不足対策の一手として、茨城県は来年度から、県内6地区で毎年開催してきた消防団ポンプ操法大会を隔年開催に変更する。大会に向けた訓練が団員の負担につながっていると長年指摘されており、軽減を図る。市町村独自の大会を毎年実施している自治体でも、追随する動きが出始め、消防団離れに歯止めがかかるか注目される。

ポンプ操法は消火活動の基本動作で、団員たちが分担してポンプ車や小型ポンプにホースをつなぎ、放水して的に当てる。競技は規律や正確さ、安全性、放水完了の早さなどが審査される。消防関係者は「操法には消火の基本動作が詰まっている。経験が現場で生かせる」と評する。

一方で、長期間にわたり平日夜や休日などに訓練するため、団員の負担感にもつながっている。

■参加を阻害

県によると、県内の消防団員数は1978年に3万1706人だったのに対し、昨年は1万9756人と、40年以上経て4割近く減少。定数を約3千人下回る状況だ。

全国的にも団員数が減少する中、消防団員の処遇に関する国の検討会の最終報告(21年)では「操法大会を前提とした訓練が大きな負担となり、幅広い住民の消防団への参加の阻害要因になっている」と指摘。大会の在り方について負担軽減に触れ、出場団の輪番制や過度な競技性の抑止などを提案した。

茨城県の場合、全国大会に合わせて県大会も隔年だが、6地区大会は毎年開催。国の検討会の議論を踏まえ、県は来年度から地区大会も隔年に変更し、27年度は実施しない。

■自治体追随

県は運用見直しについて、今年に入って市町村に通知。訓練の期間・時間の上限設定、大会を過度に意識した訓練の自粛なども求めた。こうした隔年化の動きや通知を踏まえ、市町村大会のある自治体も追随を始めている。

取手市は市内大会の優勝チームが県南南部地区大会に出場してきたが、近年は団員の仕事の都合などで人数がそろわず参加団数も減少。訓練時間縮小で負担減を進めてきたのに加え、市は今月、消防団の会議で市内大会の隔年化を決めた。

市消防本部は「市内大会のない年も、団員から要望のある実践的な訓練や操法に準じた訓練に協力し、消防力向上に努めたい」と強調。負担減と地域の安全を守ることの両立を目指す。



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