外国籍生徒支援 重点校10校体制に 茨城県立高 生徒増で来年度から

増加傾向にある外国籍生徒に対応しようと、茨城県教育委員会は28日、日本語指導など支援を充実させた県立高の「重点校」を、来年度に4校増やし6校にすると発表した。「支援校」も1校加えて4校にし、計10校体制で日本語を母語としない生徒の支援に当たる。柳橋常喜教育長が定例記者会見で説明した。
重点校は現在、石下紫峰(常総市)と結城一(結城市)の2校。県立高には、入国3年以内の受験生が3教科と面接で受験できる「外国人特例選抜」(基本募集人員2人)があるが、2022年度に重点校になった2校は入国年限をなくし、枠を40人に拡大した。
来年度から重点校になる4校は大洗、神栖、江戸崎総合(稲敷市)、坂東清風(坂東市)。支援校は現在、筑波(つくば市)、茎崎(同)、結城二(結城市)の3校だが、新たに三和(古河市)が加わる。
県教委によると、県内の外国籍生徒は増加傾向にあり、今年5月1日現在で石下紫峰128人、結城一131人、ほか8校の在籍数は5~45人。外国人特例選抜の本年度志願状況は石下紫峰1.30、結城一1.15倍で、ともに1倍を上回る。県教委は、日本語を母語としない生徒も個々の能力を発揮できる教育体制を構築することで、地域社会の担い手を育成する。
重点校では、派遣された支援員が日本語の指導に当たるほか、配置されたコーディネーターが生徒の生活面や保護者対応、外部機関との連携調整などを行う。生徒の日本語能力に応じた習熟度別学習を複数の教科で実施し、日本語指導の個別計画を作成。キャリア支援にも取り組む。支援校でも日本語指導のほか、コーディネーターが巡回して生徒の相談に応じる。
県教委によると、外国籍の県内高校生は本年度871人で5年前の約2倍。うち日本語指導が必要な生徒は331人。小中学生も本年度4285人で10年前の2倍超。うち日本語指導が必要なのは2164人。
柳橋教育長は「小中学校でも日本語の習熟度に応じた支援を行っている。重点校・支援校を増やすことで県内広域をカバーし、社会に必要な人材を育成する」と述べた。