【続報】水戸通り魔 逮捕の男「止めに来た人切りつけた」 刃物両手に数分間の凶行 茨城

茨城県水戸市の中心市街地で通行人ら6人が刃物で切りつけられ負傷した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された同市、職業不詳、男(48)が「私を止めに来た人を切りつけた」と供述していることが、県警水戸署への取材で分かった。刃渡り約50センチの殺傷能力が高い刃物2本を両手に持って犯行に及んだことも判明。同署は犯行に至る経緯や通行人らを無差別に襲った動機などを慎重に調べている。
同署によると現場からは計4本の刃物を押収。両手に持っていた2本は草木を切り払う際に使うような刀身の長い特殊な刃物だった。うち1本は両刃で片側がのこぎり状だった。いずれも血が付いており、犯行に使われた可能性が高いとみている。
残る2本はサバイバルナイフ様の刃物で刃渡りは約15センチだった。犯行時は腰に下げており、さやが付いた状態だった。同署で入手先の特定などを急いでいる。男が、両手を振り回しながら通行人らに襲いかかっていたという目撃情報もある。
事件は同市南町2丁目の路上で28日午後6時過ぎに発生。男は裏通りで2人を襲った後、路地を抜けて大通り(国道50号)沿いの歩道で4人を襲った。数分間の犯行だった。現場には男が犯行時にかぶっていた、ゴーグルの付いた顔全体を覆うマスクが残されていた。
同署は29日未明、現場近くの男の自宅マンションを捜索。スマートフォン1台や包丁1丁などを押収した。近くのコインパーキングからは男の黒色の乗用車も押収し、事件前の詳しい足取りを調べている。
被害者6人のうち、東京都内の男性(70)と水戸市の会社員男性(65)の2人が手首などを切られ重傷。同市の委託職員女性(75)と会社員男性(54)も頭や手に切り傷を負った。同市の会社員女性(57)と同県城里町の病院職員男性(27)は後頭部を殴打された。止めに入って負傷した人もいた。
男は1人暮らしで、母親と兄弟がいる。同署によると、10年ほど前に男から県警に「誰かに付きまとわれている」「誹謗(ひぼう)中傷されている」などと相談があった。