常陽銀新本店 地域の象徴に 水戸・大町で28年度開業 概要発表 カフェ、交流スペース整備 茨城

創立90周年を30日に迎えた常陽銀行(茨城県水戸市)は同日、2028年度にオープンする新本店ビルの概要を発表した。昨年7月に建設を決定して以降、行員へのアンケートや意見交換を通じて要望をくみ取り、新たな発想を生みやすいような造りにした。地域住民が交流するスペースも設け、地域のシンボルになることを目指す。
新本店ビルのコンセプトは「クロスポイント」。顧客や地域住民、従業員などがつながり、持続可能な社会づくりに貢献していくことを掲げる。
1階の地域貢献施設はカフェやイベントスペースとして住民に開放し、セミナーやワークショップを開催する想定。執務室や会議室、食堂がある5~8階は中央部を吹き抜けにして階段で結び、他部署の行員と気軽にコミュニケーションが取れる設計にした。
建設地は現本店ビル(同市南町2丁目)近くで、駐車場となっている同市大町2丁目。延べ床面積は現本店ビルの2倍の広さとなる約2万5000平方メートルで、高さ約45メートルの地上8階、地下1階建て。震度6強でも主要機能を維持する免震構造にし、停電時は72時間の電源供給確保が可能となる。業務を行う人数は現在の約700人から約1000人に増える。駐車場は約160台収容の自走式立体駐車場を建てる。
施工業者は未定で、来年に選定して着工する。完工とオープンは28年度の予定。内装は県産材を積極的に使用し、自然採光や自然換気、井水利用のほか、エネルギー効率の高い照明や空調設備の導入により、必要エネルギーは従来比50%以下を目指す。
担当者は「若手行員が今後20年、30年と働きやすい環境にしていきたい」と話した。
現本店ビルは創立30周年の1965年に建てられ、老朽化が進んでいる。本店移転後の跡地は、周辺地域の活性化につながる活用方法を検討していく。