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茨城県内津波到達 震災想起、警報「怖い」 沿岸住民 高台、避難所へ

津波警報が発表され、不安そうに海の様子を見つめる人たち=30日午前11時半、大洗町磯浜町
津波警報が発表され、不安そうに海の様子を見つめる人たち=30日午前11時半、大洗町磯浜町


ロシア・カムチャツカ半島付近で地震が発生し、気象庁は30日、北海道以南の太平洋沿岸部に津波警報・注意報を出した。これに伴い、茨城県内沿岸部の7市町村で避難指示が出され、多くの住民などが高台に逃げたほか、避難所へ身を寄せた。

鹿嶋市では津波警報が出された直後、高台にある市中心部に向かう道路で、海沿いから避難する車両で渋滞する様子が見られた。

避難所の一つとなった市立中央公民館には午後1時現在で67人が避難。職員が避難者名簿を配布し、名前や年齢、体調や必要な配慮、緊急連絡先などの記載を呼びかけた。希望者には保存食や水が配られた。

同市の染谷豊子さん(80)は「避難所に来てほっとした。ただ、いつまでいればいいのかと不安はある」と心配そうに話した。

高台にある大洗町の避難所には、高齢者施設や保育園などから避難者が詰めかけた。高齢者のデイサービス施設を管理し、利用者14人とともに避難した金子康也さん(51)は「無事に避難できた。東日本大震災の経験を踏まえた災害対応マニュアルや訓練などが生きた」と安堵(あんど)した表情で語った。

同町の田口進さん(72)は自宅から避難。「東日本大震災の時の津波を思い出して怖い」とこわばった表情を見せた。沿岸部から車で来た男性(42)は、警報が出て避難したものの道が混んでいたと言い、「(津波到達予想時刻まで)余裕はあったが、不安になった」と明かした。

ひたちなか市の避難所には設置されたテレビで状況を見守る避難者の姿があった。海沿いの職場から駆け込んだ女性は「津波で避難するのは初めて。スマホに警報が来て本当に怖かった」と振り返った。

日立市の久慈浜海水浴場ではライフセーバーが海水浴客を高台へ避難させた。呼びかけた河原子ライフセービングクラブの斉藤裕さん(49)は「東日本大震災の時に津波を見た。被害が起きないか心配」と海を見つめた。

近くで海の家を営む男性(57)はこの日、団体客50組の予約があり、焼きそばを60人分用意していた。「仕方ない。今週は客を呼ぶのが厳しくなるかもしれない」と肩を落とした。

■列車運転見合わせ、駅混雑

津波警報を踏まえ、JR常磐線は30日、勝田-仙台駅間の上下線で運転を見合わせ、最終的に特急列車の運行を取りやめた。影響で朝の通勤時間のJR勝田駅は人混みができた。

駅員に問い合わせようと、改札付近には利用者が列を作った。スマホと運休を知らせる電光掲示板を交互に確認する人々や、掲示板に書かれた運休に関するお知らせを見つめる人の姿も見られた。

東京都内に用事があり、特急を予約していた男性(80)は「午前10時台の特急を予約していたが、止まってしまったので、チケットを代えてもらった。かれこれ1時間は待っている」と不安そうに電光掲示板を眺めた。

打ち合わせのため駅を訪れた30代男性は「津波の影響で全部キャンセルになったので、これから帰る」と話した。



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