神立病院の移転 断念で協定解除 茨城・かすみがうら市

茨城県かすみがうら市稲吉南2丁目の市有地に病棟の移転建設を計画していた神立病院(同県土浦市神立中央)が7月、計画断念の意向をかすみがうら市側に伝えていたことを巡り、市執行部は8月5日の市議会全員協議会で、建設や運営に関する基本協定の解除合意書を病院側と交わしたと報告した。合意は同日付。
市によると、病院側は2024年3月、鉄骨造2階建ての病棟の建設工事費を約47億円と説明。その後、建設資材の価格高騰を理由に、今年3月、工事費が約17億円増えて約64億円に上ると市に伝えた。
両者は22回にわたり協議を重ねたが、病院側が7月29日、事業計画の実現が困難になったとして、市側に計画断念の意向を伝えた。宮嶋謙市長は「大変期待していただけに、非常に残念。地域医療の充実には、関係機関と連携を図りながら取り組む」とした。
移転計画を巡っては、市と病院側は23年12月、建設や運営に関する基本協定を締結。JR神立駅西側の市有地2ヘクタールを借り、内科など現在の診療科と病床160床の移転に加え、市内初となる産科の開設も目指していた。