茨城県とJ2水戸 空き家対策で連携協定 相談窓口を活用

茨城県とサッカー・Jリーグ2部(J2)水戸ホーリーホックは5日、県内の空き家対策に関する連携協定を結んだ。同社が専門業者と連携して開設した空き家相談窓口の活用を通し、所有者や市町村からの相談があった際の橋渡しや空き家情報の提供、窓口の普及啓発などで両者が協力して、対応が難しい空き家問題の解決を目指す。
県庁で同日、締結式が開かれ、岩下泰善副知事と小島耕社長が協定書を交わした。期間は1年間の予定。
同社は4月、地域貢献活動の一環として、クラブパートナーの不動産管理業「ネクスウィル」と連携した空き家対策プロジェクトを開始。5月中旬、ホームタウン15市町村の物件と所有者を主な対象とした相談窓口を開いた。
窓口では同社スタッフがヒアリングを行い、業者もオンラインで参加する。聞き取った内容を基に活用法や処分の手続きなどを提案。場合によっては、市町村が運営する空き家バンクの登録を促す。
ネクスウィルは権利関係を整理して住宅の再販を手がける専門業者。一方、空き家は権利関係が複雑な場合があり、行政でも対応が難しいとされる。県はそうした相談が県や市町村にあった場合、専門業者がいる窓口を紹介することで、問題解決につなげたい考え。
また、建築や金融といった空き家問題に関係するクラブパートナーに連携の輪を広げ、市町村と結び付けて、地域での問題解決のモデル事業が形成されることを期待する。
締結式で岩下副知事は「空き家の活用が広がることを期待している」とあいさつ。小島社長は「協定を足掛かりに、空き家が一件でも多く次の利用につながれば」と話した。