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車いすダンス 感動の20年 神栖のサークル「クアルト」 イベントや施設で披露 茨城

車いすダンスを練習するメンバーら=神栖市溝口
車いすダンスを練習するメンバーら=神栖市溝口


茨城県神栖市の車いすダンスサークル「ウィルチェアダンス研究会クアルト」が結成20周年を迎えた。楽しみながら練習に励み、地域のイベントや介護施設など多様な場で成果を披露している。音楽に合わせて体を動かすことでリハビリ効果を実感するメンバーもおり、生き生きとしたパフォーマンスは見た人に元気や感動をもたらしている。

車いすダンスは、車いすの障害者と立位の健常者がペアになって踊る社交ダンスの一種。車いすの人は「ドライバー」、立位の人は「スタンディングパートナー」と呼ばれる。

クアルトは2005年、同市在住の社交ダンスインストラクター、佃由美さんが設立した。車いすダンスを初めて見た時、スピード感のある回転や華麗な踊りに感動し、「自分でもチームをつくる」と決意したことがきっかけだ。現在は30~80代の13人が加入し、毎週木、土曜日に練習に励んでいる。

7月24日の練習にはメンバー11人が集まり、出演予定のイベントに向けて振り付けやフォーメーションを確認した。洋楽やはやりのJポップに合わせ、競技用車いすを自由自在に回転させたり、ペアで手を取り合ったり、緩急をつけたりしながら、満面の笑みで息のそろったダンスを踊った。

車いすダンスの魅力について、メンバーは「とにかく楽しい」と口をそろえる。4年前に加入した谷藤(やとう)てつ子さん(84)は「皆親切で年齢差を感じさせない。時間があっという間に過ぎていく」とにっこり笑った。

リハビリ効果もある。車いすダンス歴10年の溝口之絵(ゆきえ)さん(36)は「音楽に合わせて踊っているうちに、腕の関節や背中が以前より柔らかくなった」と喜びを見せる。

現在の活動は周辺地域で開かれるイベントへの出演のほか、介護施設や病院、小中学校などへの訪問が中心。出演依頼が次々と舞い込んでおり、スケジュールは12月まで埋まっている。ダンスを見た人からは「元気をもらった」「感動した」などの声が寄せられているという。

代表の佃さんは「自分のやりたいことが20年も続くと思わなかった。今後は曲のレパートリーを増やしていけたら」と笑顔を見せる。車いすダンスはまだあまり知られていないとして、「魅力を若い世代などに広げていきたい」と力を込めた。



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