95年前殉職、警察官慰霊 茨城県警ひたちなか署 安全な地域実現誓う

95年前に殉職した警察官を慰霊するため、茨城県警ひたちなか署(梶山志信署長)の関係者らが命日に、同県ひたちなか市平磯町の聴法寺にある記念碑を訪れ、冥福を祈った。
1930年8月5日、旧平磯町で、トラブルから暴力団組員3人をけがさせて高額な治療費を請求された住民が、湊警察署平磯町第二巡査駐在所(当時)に助けを求めた。駐在所員だった海老原義重巡査=当時(26)、巡査部長に特進=が組員を注意したが、逆上され、日本刀などで刺殺されたという。
この日は梶山署長や佐々木正勝那珂湊警察センター長らが、名声を後世に残すという「流芳(りゅうほう)」と刻まれた記念碑に花を供え、線香を上げて安心安全な地域を実現することを誓った。
梶山署長は「若い後輩にも流芳の言葉を引き継いでいきたい」と碑文を見つめた。現在の磯崎駐在所長の鹿島直樹巡査部長(29)は「改めて墓石をきれいに拭き、平穏な地域で凄惨(せいさん)な出来事があったことを心に留めた。地域住民に寄り添える警察官でありたい」と意気込んだ。