関鉄竜ケ崎線、14日に125周年 茨城県内最古の私鉄、地元祝福 記念イベント多彩

茨城県龍ケ崎市内を走る総延長4.5キロの関東鉄道竜ケ崎線(竜ケ崎-佐貫)は14日、開業から125周年を迎える。同線は県内最古の私鉄路線で、「竜鉄」の愛称で知られ、市民の足として親しまれてきた。節目を前に記念イベントが開かれるなど地元で祝福ムードが高まっている。
■日本初ワンマン
同線は、1900年8月14日に龍ケ崎の中心市街地と日本鉄道土浦線(現JR常磐線)を結ぶ「龍崎(りゅうがさき)鉄道」として開業。現在は旅客のみの輸送だが、かつては肥料やコメ、繭、石炭などの貨物も運搬し、地元の産業発展に大きな役割を果たした。2021年に同市の市民遺産に認定されている。
関東鉄道(同県土浦市)によると当初は5駅あったが、1957年に2駅が廃止され、竜ケ崎、入地、佐貫の3駅となった。合併などを経て65年に同社が誕生し、現行の体制がほぼ確立。71年8月には旅客列車で日本初となるワンマン運転を実施した。
2024年度の輸送人員は72万人で、うち通勤通学といった定期利用が42万人を占める。車社会や人口減少などを受けて同線の乗客は減少傾向にあり、赤字が続いている。同社では駅設備の利便性向上やイベント開催など、利用促進に取り組んできた。地元やファンによるPRや企画も行われている。
■市民も盛り上げ
開業125周年を前に、11日には竜ケ崎駅で記念イベントを開催し、鉄道ファンや家族連れの姿が見られた。1981年製の列車「キハ532」に記念ヘッドマークが取り付けられ、改札の頭上には祝いの横断幕が飾られた。
鉄道好きの友達と一緒に訪れた同県守谷市の小学5年、小林一慶さん(10)は「ヘッドマークの写真を撮りたい。(キハ532を)近くで見るのは初めてで、レトロな感じがする」と声を弾ませた。
会場では記念乗車券やグッズ販売のほか、駅待合室のコミュニティースペース「龍ケ崎machimin(まちみん)」で同市出身の漫画家による子ども向けワークショップも行われた。
地元住民も盛り上げに一役担った。龍ケ崎市内の小学6年、秋山太朗さん(12)は、まちみんで来場者を出迎えた。普段から同線を見学に来ており、会場では自作した同線の紹介動画を上映した。秋山さんは「竜ケ崎線は短い区間に魅力が凝縮されている。イベントをやっていたり、運転士と話すことができたり。来たら楽しい何かがある場所」と語った。
同駅長の真中嗣夫さん(58)は「この先も長く支えてもらえる路線でありたい。さらに地域のイベントと連携した盛り上げもできれば」と話した。