《いばらき戦後80年》「平和の祈り」作品に 水戸・緑岡高美術部 ローマ戦士と折り鶴対比
戦後80年に合わせ、茨城県立緑岡高(同県水戸市笠原町)の美術部員が、平和をテーマにした作品づくりに取り組んでいる。「戦い」を象徴する古代ローマの戦士像と「平和」を象徴する折り鶴の対比をモチーフとした立体作品。現在、終戦の日の完成を目指し追い込み作業に入っており、部員らは「平和の祈りを作品に込めて多くの人に訴えたい」としている。
美術部では毎年、部員共同の作品づくりに取り組んでいる。今年は戦後80年に当たり、作品のテーマを「平和」に決めた。鈴木優花さん(2年)は「戦後80年の節目の年。平和を願う心を私たちが引き継ぎ、作品という形にして伝えていこうと考えた」と狙いを語る。
作品づくりは5月の大型連休明けにスタート。1、2年生を中心に、役割を分担しながら作業を進めた。
作品のモチーフには戦争を象徴するものとして、古代ローマ帝国の皇帝や腹心ら「軍人」を据えた。身近にある石こう像を使用して、新聞紙やボール紙で型を取り、絵の具で着色。鼻や耳、服のしわなどは幾重にも重ね合わせることで立体感と重厚感を生み出した。全員が声をそろえる「一番難しかったポイント」だ。
■こだわり
作品制作のもう一つのこだわりは折り鶴だ。「折り鶴は平和の象徴。作品づくりには絶対に欠かせないピースだった」と小田倉菜緒さん(2年)。折り鶴づくりには友人や家族らも協力。小田倉さんは祖母に手伝ってもらったといい、「作品にはみんなの思いも詰まっている」と感謝する。
カーキ色やオリーブ色などアーミーカラーで染めた「軍人」を取り囲むように、原色ベースのカラフルな「千羽鶴」を散らして配置。「NO WAR」「PEACE」の文字を鮮やかな色彩で描いた。色調の対比が印象的で、福嶋美冬さん(1年)は「赤は命。黄色は平和。明と暗。色使い一つ一つに意味がある」と解説する。
■時を超え
作品タイトルは「80年を超えて」。名付けたのは鈴木琳賀さん(1年)。6月に戦争体験者から直接話を聞く機会があり、着想を得た。「これまでに超えてきた80年の年月、これから先、何十年、何百年、何千年と超えていく年月。時を超えて引き継がれていく思いをイメージした」と話す。
縦横90センチ、高さ180センチの立体造形作品。今月15日の終戦記念日の完成を目標に、最後の追い込み作業を進めている。顧問の五十嵐栄二教諭(57)は「部員一人一人が戦争と平和に真剣に向き合い、学びを深めてきた思いの結晶」と目を細める。
作品は今秋の県高校美術展覧会で発表する予定。小田倉さんは「平和を望む気持ちを作品に乗せた。多くの人に感じ取ってもらえればうれしい」と語った。











