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終戦80年 日立 犠牲者に黙とう 平和願い集会と行進 茨城

「平和の鐘」の前で黙とうする参加者=15日正午、日立市幸町
「平和の鐘」の前で黙とうする参加者=15日正午、日立市幸町


戦後80年となった15日、茨城県日立市幸町の日立シビックセンターやJR日立駅前広場などで平和集会・行進が行われた。市民ら約120人が参加し「戦争の恐ろしさと平和の尊さを忘れず、戦争のない世界を築く」と不戦の誓いを確認。正午に鐘の音が鳴り響くのに合わせ、犠牲者に黙とうをささげた。市内では、先の大戦で米軍による空襲と艦砲射撃により、1500人を超す犠牲者が出た。

平和集会と行進は市民団体や労働者団体などで構成する「平和をまもる日立市民会議」が主催。1967年に有志約30人が市立助川小などで実施したのが始まりで、今年で59回目。

同センター1階で開かれた平和集会では、代表世話人の大畠章宏さん(77)が「(戦争の記憶を)どのように日立市に、世の中に伝承していくか。語り継ぎ、市民に訴えることが大事」と意義を強調。小川春樹市長が戦争体験者の高齢化を挙げ、「戦争の悲惨さや平和の尊さが見失われつつある」とした上で「戦争は過去のものではなく、世界中で起きている。今こそ一人一人が平和について何ができるのか真剣に考えなければならない」と述べた。

平和行進では、「戦争の悲惨さを後世に伝えよう」「永久に戦争のない平和な社会をつくろう」などと書かれたプラカードを参加者が掲げ、約300メートルを行進。「戦争のない世界をつくるため一緒に行動しましょう」と呼びかけ、駅前の「平和の鐘」まで歩いた。鳴り響く正午の鐘の音に合わせて参加者は黙とうした。

40年以上参加している同市、百瀬孝子さん(80)は「子どもたちのためにも戦争は避けたい。小さなことでも命ある限り、平和を願い参加していきたい」と話した。



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