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歌声 国境超えて 水戸児童合唱団タイ公演 劇披露、少数民族と競演 茨城

合唱劇「サン~精霊の子~」を演じる団員たち=タイ・チェンライのメーファールアン大学
合唱劇「サン~精霊の子~」を演じる団員たち=タイ・チェンライのメーファールアン大学


NHK水戸児童合唱団(遠峰駿一郎団長)初の海外コンサートが14日、タイ北部チェンライのメーファールアン大学講堂で開かれた。同国で実際にあった少年たちの救出劇をモチーフにしたオリジナル合唱劇「サン~精霊の子~」を上演したほか、少数民族のカレン族でつくる合唱団や同大の合唱団とも競演し、国境を超えた伸びやかな歌声で会場を包んだ。

合唱劇「サン」は谷川賢作さんの作詞・作曲。スコールを避けるため洞窟に入り、増水で閉じ込められてしまった少年サンと友人たちの物語だ。2018年に起きたチェンライ近郊での実話を基に、茨城県水戸市出身のソプラノ歌手、滝本真己さん(34)が脚本を手がけた。

洞窟にまつわる悲恋の姫の伝説や元気いっぱいの少年たちの姿、母を慕う思い、救出と再会を喜ぶダンスなど、団員たちは感情豊かな演技と歌声で表現した。精霊になった姫を演じた富岡沙友里さん(18)は「観客が多くて緊張したけれど、タイに来られなかったメンバーの分も思いを込めて歌った。十数年合唱をやってきて一番楽しかった」と充実感を漂わせた。

カーテンコールでは団員たちに惜しみない拍手が送られた。主人公の友人、サバイを演じた渡辺愛花さん(14)は涙目で会場に手を振り、「やってきたことが間違っていないか不安だったけれど、違う国の人にも自分たちの音楽が伝わると分かってうれしかった」と話した。

現地の合唱団との競演では、日本語の歌も一緒に歌った。終演後には団員がタイの若者たちと連絡先を交換し合う様子も見られた。遠峰団長(83)は「観客が多くて張り合いになったのでは。タイの子たちと交流も深められ、いい経験になった」と目を細めた。

合唱団は滞在中に計3回の公演を予定し、18日に帰国する。



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