常陸大宮「西塩子の回り舞台」 6年ぶり公演へ準備開始 現存最古の農村歌舞伎 茨城

茨城県常陸大宮市西塩子地区に伝わる、現存する日本最古の組み立て式農村歌舞伎舞台「西塩子の回り舞台」の6年ぶり公演に向けて、準備が23日スタートした。会場となる同市の大宮公民館塩田分館グラウンドで地鎮祭を実施。集まった保存会関係者やボランティアら約100人が、回り舞台のアーチ型の大屋根に使われる竹を伐採し、土台となる柱の組み立てを始めた。
回り舞台の公演は1997年から3年置きに開かれてきたが、コロナ禍などで2019年を最後に延期が続いていた。今回、伝統文化を伝承していこうと市民有志や県内の教員、学生らがボランティアの輪を広げ、実現にこぎ着けた。約2カ月かけて舞台を造り上げ、10月25日に公演を開く。
この日は、地元住民でつくる「西塩子の回り舞台保存会」と市内外のボランティアらが集まり、工事の安全を祈願した後、市内2カ所の竹林で15メートル超の真竹を切り出し一部を運搬した。
同県石岡市の福島毅さん(49)は「大工として高所の作業にも協力したい」、同県那珂市の水城高1年、鈴木愛果さんは「いろいろな人が協力し一つの舞台を造り上げることに参加したかった」と話した。大貫孝夫保存会長は「伝承へ若手の人材を育てていきたい」と期待した。