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石岡に依存症支援施設 ダルク 高齢、障害者の受け皿 茨城

依存症の新たな支援施設「リカバリーハウス」の開所準備を進める岩井喜代仁さんと加藤功次郎さん(左から)=石岡市染谷
依存症の新たな支援施設「リカバリーハウス」の開所準備を進める岩井喜代仁さんと加藤功次郎さん(左から)=石岡市染谷


薬物依存症の民間リハビリ施設「ダルク」の新たな関連施設「リカバリーハウス」(一般社団法人)が8月、茨城県石岡市染谷に開設された。ダルクは依存症者の社会復帰を目指す一方、今回の新施設は社会復帰が難しい高齢者や、病気、障害を抱える依存症者の受け皿を担う。行き場のない人たちの新たな居場所をつくり、回復を支える。

付近に田んぼが広がる閑静な地域に、木造住宅が計4棟。茨城ダルク(同県結城市)代表の岩井喜代仁さん(78)は、この建物を薬物依存症者の家族から買い取り、新たな支援施設として改装した。

岩井さんは新施設の施設長に就任。20日に開所し、依存症者が寝食を共にしながら、過去を振り返るミーティングや運動などのダルクのプログラムを実践している。開所時点の入寮者は10人。50~70代の男性で、アルコールや薬物の依存歴がある。今後は40人を目標に入寮者を増やす。

ダルクは依存症者の社会復帰を目的とするが、近年は社会参加が難しい高齢者や、精神疾患などを併発する入寮者が増えていた。

岩井さんは、病気や障害のある依存症者の受け皿となるNPO法人「茨城依存症回復支援協会」(同県笠間市、2010年設立)の立ち上げに尽力。同法人が利用する国の支援制度は年齢制限があり、65歳以上は入寮できないため「(高齢者などの)新たな居場所が必要」と今回の施設を開いた。

新施設で入寮者をまとめる責任者は、薬物依存症の当事者である加藤功次郎さん(43)を抜てきした。回復の道を歩み、約5年。積み重ねた経験を生かし、「苦しんでいる仲間たちの居場所をみんなとつくりたい」と語った。

今後は地域のボランティア活動に力を入れ、近隣住民との関係構築を目指す。岩井さんは「真面目に取り組み、時間をかけて地域の人たちの理解を得ていきたい」と先を見据えた。



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