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《ROOTS 茨城人》RYコーポレーション代表取締役CEO 横山藤雄さん(50) 行方市出身

経営の哲学を話すRYコーポレーションの横山藤雄代表取締役CEO=東京都中央区
経営の哲学を話すRYコーポレーションの横山藤雄代表取締役CEO=東京都中央区


■店づくりは街づくり

「何をやるかよりも、誰とやるかが大事。店は人や地域、社会のためにあるという考えを持った人と働きたい」。飲食業界で起業して19年、貫いてきた信念だ。

麻生町(現茨城県行方市)で、祖父が創業した精肉店の家に生まれた。「当時は商店街の時代。地域から必要とされる姿がいいなと感じた」。店の手伝いをする中で、中学時代に起業を志した。高校卒業後、埼玉県の精肉小売店で修業を始めた。

20代半ばで転職し、居酒屋のフランチャイズに加盟する新事業の責任者に抜てきされた。しかし、会社は間もなく事業撤退を決めた。この時、店を引き継ぐ形で独立を決めた。「社員を採用した時、責任者として夢やビジョンを語った。途中で逃げるわけにはいかなかった」。2006年冬、採算性が低いと判断された2店舗からのスタートで苦しい船出だった。

転機は11年、東京・上野に自社ブランドのフレンチイタリアンを出店した時だった。上野は大衆居酒屋が多く、周囲は反対したが、「ここでヒットさせられたら、この先の未来が広がると直感した」。ベルギービールとロティサリーチキンという斬新なコンセプトが上野の街に新風を吹かせ、評判を呼んだ。デベロッパーの注目を集め、新規出店の要請が舞い込んだ。

「店ができて少し人生が楽しくなった、町が明るくなったと思ってもらえることが出店の目的。店づくりは街づくり。私利私欲の人とは一緒に働けない」。出店の指標は、この哲学に共感してくれるかどうかだ。現在はグループ会社を含め56店舗まで拡大した。

「茨城愛」は並々ではない。県内では鹿嶋市内にハワイアンカフェ&レストランを展開し、今年はキッチンカーも導入した。行方市のプロモーション活動にも取り組む。「地元で生まれ育ったおかげで今がある。必要とされている使命感もある。自分にできることはやりたい」

■よこやまふじお

1975年2月28日生まれ、麻生町(現行方市)出身。大和第二小-麻生第一中-麻生高卒。



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