《みと・まち・情報館便り》千々乱風の紙芝居楽しむ 栗田さん水彩画展にちなみ 茨城・水戸

「千々乱風」の大型紙芝居を上演するオリーブ協会のメンバー=水戸市南町
「千々乱風」の大型紙芝居を上演するオリーブ協会のメンバー=水戸市南町
栗田健史さん作「千々乱風伝説の砂丘」
栗田健史さん作「千々乱風伝説の砂丘」


戦争や平和を題材にした紙芝居や絵本を語り継ぐ茨城県水戸市のオリーブ協会(見沢淑恵代表)のメンバーが23日、同市南町2丁目の水戸証券ビル1階ホールで、同県ひたちなか市に残る伝説「千々乱風(ちぢらんぷう)」の大型紙芝居(同市立那珂湊図書館蔵)を読み聞かせした。茨城新聞みと・まち・情報館で29日まで開かれている栗田健史さん(57)=ひたちなか市=の水彩画展「『禁断の海辺』に吹く風~束の間の楽園」にちなみ上演した。

水彩画展は、同ビル1階の茨城新聞みと・まち・情報館が企画。作品は、ひたちなか市の海岸線に展開された米軍の水戸射爆場が日本に返還され、国営ひたち海浜公園の造成工事が始まるまでの約10年間、人の出入りが制限され、鳥や花々にとって「楽園」だった頃の射爆場跡の記憶を描いている。

「千々乱風」は、その一角に今も残る沢田湧水地辺りの伝説。江戸時代初め、湧水地から流れる小川周辺には三つの村が栄えていたという。ある年、大風が75日間にわたって吹き荒れ、家屋や田畑は跡形もなく砂に埋もれてしまった。

「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んで行け」。痛がる幼児をなだめるおまじないは、砂嵐が収まるように村人が唱えた「チチランプン」の呪文が語源になったともいわれている。

栗田さんは小川周辺に広がるチガヤの草原にポツンと残る墓碑を描いた「千々乱風伝説の砂丘」を展示。

紙芝居上演後、栗田さんは、ひたち海浜公園内で1カ所だけ、清らかな水が湧き、希少な生き物が生息する沢田湧水地を紹介し、「ガイドツアーに参加すれば、自然保護区の動植物に出合えるかも」と話した。

同展の問い合わせは、みと・まち・情報館(電)029(306)9500(午前10時~午後5時)。



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