保育施設、保護者の負担軽減 おむつやエプロン4点 定額使い放題 土浦市、民間企業と連携 手ぶら登園目指す 茨城

茨城県土浦市が市立保育施設に通う園児を持つ保護者の負担軽減に力を入れている。民間企業と連携し、月額制で紙おむつの使い放題や寝具のレンタルを実施。9月には使い捨てエプロンと手口拭きシートの使い放題を始める。おむつの準備や食事用エプロンの洗濯にかかる負担を減らすのが狙いで、市の担当者は「手ぶら登園を実現したい」と力を込める。
市は4月、おむつと寝具のサブスクリプション(定額使い放題サービス)を、荒川沖、天川、神立の各保育所と認定こども園土浦幼稚園の4カ所で導入した。サービス提供は医療・福祉用品のリース事業を展開する小山商会(仙台市)。希望者は同社のホームページから直接申し込む。
提供するおむつ・おしり拭きは月額2400円で利用できる。昼寝用の寝具一式は月額1300円で、通気性に優れたマットレスとシーツ、タオルケット、毛布のセットを提供する。おむつは1カ月単位、寝具は1年単位で利用できる。
市保育課によると、保護者は毎日、園児名を書いた紙おむつを持参する。サービスを利用すれば、紙おむつへの記名や補充の手間が省ける。保育士は園児ごとにおむつを管理する必要もなくなるなど、双方にメリットがあるという。
同市の保育施設では、昼食と一日2回のおやつの時間を設けている。保護者は園児名を記したエプロン3枚を持ち込み、保育士が園児ごとに管理している。業務量の増加や紛失のリスクもあり、市保育課の担当者は「家庭の負担軽減に加え、保育士の働き方改革の側面もある」と説明する。
さらに市は9月、月額850円で、使い捨てエプロンと手口拭きシートの使い放題サービスを開始する。同じ市立保育施設4カ所が対象で、1カ月単位で申し込める。同課によると、県内では水戸市がおむつやエプロン、手口拭き、古河市がおむつと手口拭き、龍ケ崎、常総、神栖市がおむつの定額使い放題サービスを実施している。おむつ、寝具、エプロン、手口拭きの4点の使い放題を提供するのは、土浦市が初めて。
同課の担当者は「朝夕の忙しい時間帯でもスムーズに登園準備ができる。ぜひご利用いただきたい」と話している。