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免許返納に「卒業証」 高齢者の決断に敬意 交通マナー継続願う 1日から茨城県警

県警が1日から交付を始める運転免許卒業証
県警が1日から交付を始める運転免許卒業証


茨城県警は1日、運転免許証の自主返納者に対し「運転免許卒業証」を交付する取り組みをスタートさせる。県内の警察署や運転免許センターなどで返納した人が対象。生活のため返納をためらう人もいる中、勇気ある決断に敬意を払う。交通事故死者数の半数以上を65歳以上の高齢者が占めており、返納後も交通マナーを実践してもらいたいという願いも込める。

卒業証は縦5.5センチ、横8.5センチで、運転免許と同じ大きさ。賞状風のデザインに署長名などで「長年の交通安全ありがとうございました。人生の次のステージもどうぞ健やかに-」などと書かれている。公的な本人確認書類としては利用できない。

これまで県警内では、大宮署が独自に返納者へ感謝の「お手紙」を交付していた。生活のため返納をためらう人もいる中、特に高齢者を対象に「勇気ある決断への敬意と慰労の気持ちを込めて」(交通総務課)全県で導入することを決めたという。

交付場所は免許を返納できる全27署と運転免許センター、各警察センターの計30カ所。手続き後、交通安全協会から贈られる反射シールなどの啓発品とともに返納者に渡す。

県警によると、昨年の県内の交通事故死者数は94人に上り、このうち高齢者は54人で全国ワースト7位だった。高齢ドライバーによる死亡事故は30件発生し、特に75歳以上の事故が増加傾向にある。人的要因では、ブレーキなどの操作ミスが目立つという。

県内の65歳以上の運転免許保有者は約60万人で、全保有者の約3割を占める。昨年県内で自主返納した人は8654人に上り、75歳以上が75%を占めた。返納者数は2019年の1万779人をピークに4年連続で減少していたが、昨年再び増加に転じた。

同課は「返納者は安全運転で事故防止に努めてきた方々。返納後も、歩行者や自転車利用者として交通安全に協力してほしい」としている。



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