茨城・行方市長選が告示 現職に2新人挑む

任期満了に伴う茨城県行方市長選が31日告示され、元行方市議で不動産会社社長の山口律理氏(74)、元市職員で行政書士の高須敏美氏(61)、4回目の当選を目指す現職の鈴木周也氏(53)=いずれも無所属=の3人が立候補した。市役所新庁舎建設計画の是非や地域医療、地域活性化などを争点に選挙戦へ突入した。投開票は知事選と同日の9月7日。
山口氏は正午から、同市玉造乙の選挙事務所前で出陣式を行った。県議や支援者ら約50人が見守る中、「なめがた地域医療センターの救急受け入れ復活が市民の安心、過疎化解消につながる」と主張。その上で「必要な資金を取ってきて復活に全力を注ぐ。市が計画する病院敷地内への新市庁舎はいらない」と語った。
高須氏は午前10時から同市玉造甲の大型家電量販店跡地で出陣式。県議や潮来市議ら約700人が駆け付けた。高須氏は「一丁目一番地は、なめがた地域医療センターの病院機能回復」と強調。入院や救急機能を持たずクリニック化していると訴え「身近な場所で入院、手術ができる病院を取り戻す」と力を込めた。
鈴木氏は、午後4時から同市玉造甲の農産物直売所周辺で出陣式。国会議員や自治体首長ら約千人を前に「最大の争点は地域医療の在り方。(同センターの)運営者と協定を結び、入院機能の回復について協議を進めている」とし、防災力強化のためにも「病院と新庁舎、消防署が隣接している環境が必要」と訴えた。
投票は9月7日午前7時から同午後6時まで市内21カ所で行われ、同8時から内宿の市立北浦中体育館で開票される。有権者は2万6322人(8月30日現在)。
■行方市長選立候補者(届け出順)
山口律理(やまぐちりつり) 74 無新
【略歴】エヌエスケー社長。元行方市議当選1回、玉造町議当選2回、行方地区木材製材業組合長。中央大大学院修了。玉造乙
【公約】なめがた地域医療センターの入院機能・救急・腎センター再開と外来診療の完全復活など
高須敏美(たかすとしみ) 61 無新
【略歴】不動産会社取締役。元市経済部長、市企画部長、旧玉造町立玉造小PTA副会長。日本大卒。浜
【公約】なめがた地域医療センターの病院機能(救急救命体制)回復、新市庁舎建設計画の見直しなど
鈴木周也(すずきしゅうや) 53 無現(3)
【略歴】ヤマウ商店代表。当選3回。元JA共済連県本部勤務、行方市議当選1回。東京農大卒。荒宿
【公約】休日・夜間診療・小児科・産科など充実した地域医療の提供、なめがた地域医療センター機能強化など
年齢は投票日現在。()内数字は当選回数。略歴は、現職、元経歴、学歴、現住所