茨城放送、AM休止へ 26年2月 FMに一本化 経営基盤の強化図る

LuckyFM茨城放送(茨城県水戸市)は1日、水戸市にあるAM放送の下国井送信所(1197キロヘルツ)を来年2月1日から休止すると発表した。すでにAMの2中継局を休止しており、今回で全3局が休止する。同時に放送しているFMのみの放送となる。
総務省の特例措置に基づき、AMからFMへの転換に向け、影響を調べるのが目的。全国のAM放送局47社のうち27社が適用される。同社は2024年2月1日からAM土浦(同県土浦市)、県西(同県筑西市)両中継局(いずれも1458キロヘルツ)の運用を休止している。
FM放送のエリア世帯数は、AM3局の県内約110万世帯を全てカバーしている。放送はFM水戸局が94.6メガヘルツ、つくばと日立の両局が88.1メガヘルツ。聴取者や市町村、関係機関への影響を考慮し、休止までの告知期間を5カ月間、廃止前の休止期間を来年9月30日までの8カ月間設けた。FMに一本化した後は、28年秋にFM放送局として免許を受けるための調整を進める。
休止に向け、同社ホームページや番組での告知、市町村への説明を通じて周知する。また、関東1都6県で無料で聴けるインターネットラジオ「radiko」の活用も呼びかける。
同社はラジオ放送の強靭化(きょうじんか)対策として15年8月からFM放送を開始。FM放送設備は標高が比較的高い場所に設置されているため、AMよりも災害に強いという。加えて維持費がかさむAM放送施設は耐用年数を迎えており、FMへの一本化によって経営基盤の強化を図る。北島重司会長は「地方のラジオ局として持続可能な経営を続けていくため、FM放送になることは非常にありがたい」と語った。