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かやぶき文化継承へ やさと保存会、NPO法人化目指す 今秋に設立総会 茨城・石岡

交流会が開かれた筑波大茅葺き研究拠点=石岡市小屋
交流会が開かれた筑波大茅葺き研究拠点=石岡市小屋
交流会で活動報告する参加者=石岡市小屋
交流会で活動報告する参加者=石岡市小屋


茨城県石岡市を拠点にかやぶき屋根の保存活動を続ける任意団体「やさと茅葺(かやぶ)き屋根保存会」(萩原寿盈会長)が、NPO法人化を目指すことを明らかにした。今秋に設立総会を開き、来年度から本格的な活動を開始する予定。8月24日に同市小屋の筑波大茅葺き研究拠点で開かれた、かやぶきに関わる人々の交流会で発表されたもので、減少の一途をたどるかやぶき民家の保存と活用をさらに本格化させる狙いだ。

同会は2004年の設立以来、ボランティアによる茅刈りやかやぶき屋根の補修支援など、地道な活動を続けてきた。しかし、発足当時95棟あった同地域のかやぶき民家は、この20年余りで40棟前後まで減少。家主の高齢化や世代交代により、暮らしの中で文化を維持、継承していくことが年々困難になっている。

こうした現状を打開し、活動を前に進めるため、同会はNPO法人を設立し、現在の任意団体から移行する準備を開始した。従来の「やさと」の部分を「筑波山麓」に替えるなど、団体名の変更も検討している。NPO法人化により、社会的信用を高めて行政や企業との連携を強化し、かやぶき屋根の保存にとどまらず、空き家の活用や茅場、里山を含めた農村文化全体の継承を一体的に進めていくことを目指す。

同会事務局長の新田穂高さんは「(かやぶきは)昔は地縁や血縁に支えられてきたが、それが成り立たなくなってきている。私たちのは『思いの縁』。かやぶき好きが集まり、作業することが楽しいという思いでかやぶき屋根を残していきたい」と、今後の活動への意欲を示した。

同会の呼びかけで開かれた交流会には、地域の関係者やかやぶき文化に関心を持つ約40人が集まった。保存・活用に取り組む県内外の15団体・個人が活動を報告し、課題や構想などを共有した。



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