茨城・東海村長選告示 現職に2新人挑む 原発再稼働が焦点

任期満了に伴う茨城県東海村長選は2日告示され、いずれも無所属で新人の元法律事務所職員、大名章文氏(69)と、4選を目指す現職の山田修氏(64)、新人の介護福祉士、根本華奈氏(34)の3人が立候補した。東海第2原発の再稼働の是非を主な争点に舌戦が始まった。
大名氏は2日午前10時、舟石川駅東の商業施設前で出発式。前村長の村上達也さんら約140人が駆け付けた。東海第2について「住民合意のない再稼働は認めない」とし、「立場の違いを率直に話し合い、対話を通じて判断する必要がある」と訴えた。公約の給食無償化について「安全で安心な村を子や孫につないでいこう」と呼びかけた。
山田氏は午前10時から村松の阿漕ケ浦公園の駐車場で出陣式。来賓の国会議員ら約500人が集まる中、「豊かな村を次の世代まで続けていく基盤づくりをしたい」と村政運営の継続を強調。「村は原子力と共に発展してきた。発電と研究開発は基幹産業」と力を込め、東海第2の再稼働について「必要性を訴えていきたい」と決意を述べた。
根本氏は村選管に届け出た後、午前10時前に同村東海の役場庁舎近くで第一声を上げた。東海第2再稼働に一石を投じるとして、「再稼働に自分は賛成。住民アンケートと住民投票を実施したい」と表明。公約に、学校給食費の無償化やオーガニック食材採用を挙げた。「できるだけ税金を使わないで自分なりの選挙をする」と話した。
投票は7日午前7時から午後6時まで村内14カ所で行われ、同8時から船場の村総合体育館で開票される。有権者は3万1583人(1日現在)。
■東海村長選立候補者(届け出順)
大名章文(おおなあきふみ) 69 無新
【略歴】日本国民救援会中央常任委員。[元]水戸翔合同法律事務所事務局長。茨城大卒。村松
【公約】住民合意のない東海第2の再稼働は認めない、学校給食費無償化、ジェンダー平等、農業後継者育成
山田修(やまだおさむ) 64 無現(3)
【略歴】当選3回。[元]副村長、県庁職員。高崎経済大卒。村松
【公約】「まちづくりの羅針盤」の着実な推進、子ども・若者支援、デジタル化推進、東海第2原発への対応
根本華奈(ねもとかな) 34 無新
【略歴】便利屋事務員、介護福祉士。[元]特別養護老人ホームかたくりの郷勤務。常磐大卒。那珂市菅谷
【公約】住民投票をし同意を得られれば原発再稼働に賛成、子どもたちの学費無料化、オーガニック給食導入
年齢は投票日現在。()内は当選回数。略歴は、現職、[元]経歴、学歴、現住所。