次の記事:《広角レンズ》「記名式ごみ袋」見直しへ 採用の茨城県内10市 個人情報保護、揺れる運用 

ママ友らで結成のNPO 動物保護奮闘 キッチンカーで活動費、シェルターも開設 茨城・利根

マッチングシェルターの前に集まった「アニマルケアハウスちゃまの家」の羽入恵美代表(前列右から3人目)ら関係者=利根町布川
マッチングシェルターの前に集まった「アニマルケアハウスちゃまの家」の羽入恵美代表(前列右から3人目)ら関係者=利根町布川
マッチングシェルターで猫と触れ合う来場者=利根町布川
マッチングシェルターで猫と触れ合う来場者=利根町布川


茨城県利根町の女性たちが立ち上げた「NPO法人アニマルケアハウスちゃまの家」が、飼い主のいない動物の保護活動に奮闘している。昨年3月に設立し、野良猫に不妊・去勢手術を行い元の場所に戻す「TNR」の活動を中心に取り組む。キッチンカーで活動費を捻出し、今年春には動物と里親とのマッチングシェルターも開設した。代表の羽入恵美さん(50)は「一匹でも不幸な命をなくしたい」と力を込める。

ちゃまの家は羽入さんが昔なじみのママ友に声をかけ、6人でスタートした。現在は約20人のボランティアが活動し、賛助会員も少しずつ増やしてきた。TNRのほか、保護した猫の医療ケアや譲渡会で里親とのマッチングに取り組む。県内の保護団体とも協力し、野良犬の子犬を預かって譲渡にも取り組み始めた。

団体名の「ちゃま」は、2022年に死んだ羽入さんの愛猫の名前だ。10年ほど前に自宅に現れた雄の野良猫で、羽入さんが本格的に保護活動を始めるきっかけになった。

ちゃまは屋外で他の猫にかみつかれて入院し、最終的にはウイルスが原因で死んだ。屋外を行き来させたことを後悔し「外にいる猫は過酷な状況にある。一匹でも多く、暖かい家と家族の中で一生を終えてほしい」と、立ち上げを決心した。

収益を寄付に充てるキッチンカーは今年2月から運用を始めた。現在2台あり、県内の商業施設や譲渡会などに出店し、たこ焼きとおにぎりを販売している。活動にかかる飼育費や医療費に充てるのが目的で、「寄付だけに頼らず活動したい」と羽入さん。おにぎり販売のキッチンカーは同町の「鯛焼き屋Green(グリーン)」が協力している。

ちゃまの家ではウイルスキャリアーや事故などで治療が必要な猫を50頭以上保護している。譲渡会への参加が難しい猫と里親とのマッチングにつなげようと、同町布川の住宅を仲間で改修し、5月に新たなシェルターを開設した。猫エイズや猫白血病のウイルスキャリアーの部屋を別々に設け「自然な姿を見て譲渡のチャンスにつながれば」と願う。同所でキッチンカーが並ぶイベントを不定期で開き、インスタグラムで告知している。

町内には高齢者が多く、福祉を絡めた取り組みも展望に描く。羽入さんは「人と猫と犬と、みんなが共存できる町にしていきたい」と意気込んだ。



最近の記事

茨城の求人情報