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《2025茨城県知事選》投票率低迷を懸念 県選管と各陣営 啓発に力

知事選への投票を呼びかける臼井莉子さん(左)と矢野倉榛奈さん=JR土浦駅西口前
知事選への投票を呼びかける臼井莉子さん(左)と矢野倉榛奈さん=JR土浦駅西口前


7日投開票の茨城県知事選を巡り、県選管や各候補者の陣営が、投票率を上げようと力を入れている。知事選の投票日は国政選挙と同日でない場合、低くなる傾向にある。県選管はさまざまな啓発活動で選挙に触れる機会を増やし、各陣営は政策だけでなく投票を促す呼びかけも行っている。

投票率は1975年以降3割台が続き、2001年に過去最低の29.93%となった。投票日が衆院選と同日だった05年と09年は6割を超えたが、13年は31.74%、17年が43.48%で前回21年も35.02%と低い。

県選管は8月31日、各市町村選管と連携し、「統一啓発デー」として、多くの人でにぎわう各地の商業施設などで投票を呼びかけた。特設ホームページや交流サイト(SNS)なども活用して啓発を図っている。

初の取り組みとして、同日に大学生など若者世代が駅前で街頭活動を行った。

県選管担当者は、各種選挙で若者の投票率が低い傾向にあることに触れ、「年齢が離れた上の世代より、同世代の呼びかけで選挙を自分ごととして意識してほしい」とし、「若者の姿を見た人にも関心を持ってもらえれば」と狙いを話す。

参加した10~30代の6人は、JR水戸駅と土浦駅前で利用客らにティッシュを配りながら「投票お願いします」「7日は知事選投票日です」と呼びかけた。

同県笠間市出身で、立命館アジア太平洋大1年の臼井莉子さん(18)は「7月の参院選で私たちの1票が政治を変えられると感じた。まずは投票に行ってほしい」と期待した。同県城里町、会社員、矢野倉榛奈さん(27)も「政治は日頃の生活に身近なもの。政治を考えるきっかけになれば」と話した。

県選管は「引き続き啓発活動を進め、一人でも多くの人に投票してもらえるよう勤める」としている。

選挙戦で論戦を交わす各候補者の陣営も、投票を促している。

「今回の知事選は投票率との戦い」。土浦駅前で行われた現職の大井川和彦氏(61)の街頭演説で、応援に立った県議が呼びかけた。陣営が目指すのは「圧倒的な得票での勝利」。投票率の低迷は得票にも響く。陣営は支援団体などへの啓発も強める。

新人の田中重博氏(78)陣営は「県政の転換には有権者の関心を高めて投票してもらわないと」と気をもむ。街頭演説や選挙カーに加え、ポスター掲示やチラシ配布、SNSの投稿などを通して支持と知事選自体の周知に力を注ぐ。

水戸駅前で演説に立った新人の内田正彦氏(51)も「(知事選を)知り合いに伝えてほしい」と訴える。前回知事選は低投票率だったが、7月の参院選では5割を超えた状況に触れ、「皆さんで投票率を上げて」と呼びかけた。



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