常陸大宮・西塩子の回り舞台 子ども歌舞伎披露へ 大宮北小児童、発声や所作練習 茨城


茨城県常陸大宮市に伝わる農村歌舞伎舞台「西塩子の回り舞台」の6年ぶりの公演に向け、地元の市立大宮北小児童は3日、子ども歌舞伎の練習を始めた。10月25日の同公演と、11月1日の学校祭「北小祭」の2度、披露する。
舞台に立つ3、4年生17人は、栃木県那須烏山市と埼玉県長瀞町から日本舞踊と歌舞伎の専門家を招き、週2回の指導を受けながら、踊りや立ち居振る舞い、長ぜりふなどを体で覚えていく。
披露される演目は、「常磐津 子宝三番叟(さんばそう)」と「白浪五人男」の稲瀬川勢揃(ぞろ)いの場面。常磐津では、四季の遊びの面白さを表現し、白浪五人男では、捕手(とりて)を前に自分の来歴を七五調の名ぜりふで語る盗賊団の姿を描く。
初練習は、西塩子の回り舞台保存会の横山不二夫さん(75)が見守る中、同小体育館であいさつの仕方から始まり、発声練習の後、夏休み前に決めた配役ごとに、教室や図工室の3カ所に分かれて行った。
子宝三番叟を演じる女子児童3人は、扇子の扱い方から歩き方や座り方、お辞儀の仕方などの所作を教わり、自主練習を進めた。白浪五人男と捕手の児童10人は、夏休み中に台本を読んだ覚え立てのせりふを、立ち回りなどの動きとともに繰り返した。
最後に見えを切る盗賊を演じる相沢理斗(りと)さん(4年)は「大きな声でハキハキとせりふを言うことを心がけ、本番まで頑張っていきたい」と意気込みを話した。