「独自の経済対策推進」 大井川茨城県知事 3選後初会見で抱負

茨城県知事選で3選を果たした大井川和彦知事は9日、当選後初となる記者会見を県庁で開き、今後4年間の県政運営に向け、抱負や課題を語った。急激な人口減少を課題に挙げ、県内への転入者を増やすためには経済対策が有効として、「県独自でさまざまな施策に取り組む」と、企業誘致や所得向上などこれまでの県政を継続する考えを改めて示した。
大井川知事は計17日間にわたる選挙戦を振り返り、「失敗を恐れず挑戦し、(就任からの)8年間で茨城県が大きく前進した実績を訴えてきた」と説明した。選挙の結果を「理解と支援がいただけたと思っている」と評価した。
今後の人口減少対策では、出産や子育て支援など少子化対策の重要性に触れながら、「(転入者が転出者を上回る)社会増の推進が現実的な取り組みで、そのためには経済対策が有効」と指摘。国による地方創生政策の効果が見通せない中で、「県独自の施策で経済的な活性化を進め、人口減少を食い止める」と意気込んだ。
次の4年間に進める施策として、つくばエクスプレス(TX)土浦延伸や茨城空港の機能強化、水戸保健医療圏の再編などインフラへの投資を挙げた。地方の生き残りへ向け、農産物をはじめとしたブランド化や観光誘客など「差別化戦略にも、さらなる磨きをかけたい」と強調した。
過去5番目の低さとなった投票率に関しては、信任投票の空気感とともに「直前の参院選で活動時期がずれ込んだ」ことなどを要因に挙げた。前回から21ポイント減って58%だった得票率については、「新しい保守層の支持を集める候補者が出現したことで、共産系候補との一騎打ちだった前回から構図が大きく変わり影響を受けた」と分析した。
選挙戦での交流サイト(SNS)活用は陣営でも積極的に行ったとしたものの、「効果は限定的だった可能性がある」と振り返った。ネット上では根拠の疑われる投稿も多い点に触れ、「民主主義や健全な選挙という観点から、国全体で考えなければならない課題」と問題提起した。