常総水害10年 犠牲者悼む 市長「教訓、未来へつなぐ」 茨城
2015年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、茨城県常総市内が甚大な被害に見舞われた常総水害から10日で10年を迎えた。同市三坂町の決壊現場で、近隣住民や神達岳志市長ら約30人が犠牲者を悼み、献花と黙とうを行った。
参加したのは神達市長のほか、市議会の中村博美議長、国土交通省下館河川事務所の青木孝夫所長、永岡桂子衆院議員ら。堤防の上に立ち、集落の方を向いて献花台に白い花束を手向けた後、約1分間、黙とうして祈りをささげた。
地元の上三坂自治区の中島光一区長は「長いようで短い10年だった。早めに避難すること、命を守ることが一番だ」と語った。
神達市長は「立派な堤防があるが、これで安心というわけではない。防災力を強化し、防災先進都市を目指して頑張っていかなければいけない」と決意を新たにした。
市は、堤防が決壊した時刻と同じ午後0時50分、防災無線で神達市長のコメントを放送。「水害の教訓を風化させずに未来へつなげていくために、市民一体となり、災害に強いまちづくりを進めてまいりましょう」と、市民に呼びかけた。
常総水害は15年9月10日、関東・東北豪雨による鬼怒川の氾濫で同市上三坂地区の堤防が決壊し、市全体の3分の1に当たる約40平方キロが浸水。市内で2人が死亡、13人が災害関連死と認定され、住宅約4900軒が全半壊するなどして甚大な被害を受けた。












