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上下水道代上昇率全国5番目 水戸市、老朽配管の対策急務 のしかかる維持管理費 茨城

下水道管の破損が原因とみられる道路陥没が起きた現場=2024年10月、水戸市大工町
下水道管の破損が原因とみられる道路陥没が起きた現場=2024年10月、水戸市大工町


全国的な課題となっている上下水道施設の老朽化。使用料金の上昇率が全国47都市のうち5番目の高さとなった茨城県水戸市では法で定められた耐用年数を超える管路が増え、下水道管の破損が原因とみられる道路陥没事故も発生。維持管理費の増大が見込まれる中、人口減に伴う料金収入の減少も追い打ちをかけ、市財政に重くのしかかる。

同市内の浄水場などの水道施設の多くは、今から30~50年ほど前に整備された。2022年度末時点の法定耐用年数40年を超える水道管は計約315キロで、総延長(約1804キロ)の約17%を占める。老朽配管の更新は喫緊の課題で、地震など災害時のライフライン確保のため、耐震化を進める必要もあるという。

■需要減少

市の推計によると、本年度から今後40年間で、更新・耐震化にかかる総事業費は約2000億円を見込む。本年度の約30億円から右肩上がりに推移し、2040年前後で50億円超とピークを迎え、以後約20年間、同水準で推移する計算だ。

水道事業費は「水道料金で賄う独立採算が原則」(市水道総務課)。しかし、近年は節水機器の普及や人口減で給水量が減少し、収益が伸び悩んでいる。

市の将来人口推計などによると、今後40年間で、給水人口や水需要はさらに減少する見通し。今後は水道施設の統廃合や規模縮小などの再構築を見据え、コスト削減を進める方針だ。

水道料金は数年置きに見直される。本年度は対象年度だったが、物価高による市民生活への影響を考慮し料金改定を見送った。

同課は「水道施設の老朽化で事業費は今後も増加していくことが見込まれる。一層のコスト縮減に取り組み、持続可能な水道経営に努めたい」とする。

■優先順位

下水道管の老朽化も進む。市によると、24年度末で法定耐用年数50年を経過した管路は延長76.8キロで、総延長(約1313キロ)の5.8%を占める。

老朽化対策を見据え、市は重要性や緊急性など優先順位をつけて事業を進める「ストックマネジメント計画」を策定。事業費の抑制や平準化を図りながら、計画的に点検や調査、改修作業を進めている。

埼玉県八潮市で今年1月に発生した道路陥没事故を受け、同市は国道など主要道路にある整備後40年超の下水道管約12キロを目視で緊急点検。主要道路以外の管路120キロでも路面沈下やたるみを点検し、いずれも異状は確認されなかった。

現在は国からの要請で、大規模陥没の恐れがある直径2メートル以上で1994年度以前からの管路延長9キロを調査中という。

■料金改定

一方、水戸市でも近年、下水道管の破損が原因とみられる道路陥没事故が発生。24年9月には同市大工町の市道で歩道と車道の一部が陥没し、今年7月には同市宮町の国道50号と市道の交差点で横断歩道の一部が陥没した。いずれも老朽化が破損の原因とみられる。

市によると、下水道管の老朽化に伴う更新や耐震化などで今後、毎年20億~30億円規模の費用がかかる見通し。物価高による維持管理費の増加なども想定され、今後、使用料の改定が見込まれるという。

市下水道計画課は「施設の重要度や緊急度で優先順位を決め、計画的・効率的に老朽化対策を進めたい」としている。

■広域と単独で対応分かれる 県内自治体

上水道事業を巡っては、県内外の21市町村が参加する広域連携事業が県主導で2月に始まったが、水戸市やつくば市など9市町村1事業団は単独維持へかじを切るなど、対応が分かれている。

上水道事業は市町村が運営し、浄水場や管路の整備費用は主に水道料金で賄われる仕組み。人口減少に加え水道管更新の必要も重なり、水道料金の値上げは広域・単独問わず進む。

県によると、上水道事業の広域連携によって浄水場の統廃合が可能になるだけでなく、費用削減や国の補助金も期待でき、2070年度までに1100億円以上の削減効果が見込まれる。水道水を作るコスト上昇も、70年度までに単独運営と比べ1立方メートル当たり26円抑制できるという。

一方、水戸市やつくば市、東海村、境町など10事業体は単独運営を維持する方針。

水戸市水道総務課は「単独の方が給水原価を抑えられると試算した」としている。



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