里山や集落に彫刻展示 茨城・桜川で21日開幕、総行程14キロ 県内外から作家35人

茨城県桜川市大和地区の里山や集落を舞台とする野外彫刻展「雨引の里と彫刻」が21日、開幕する。3年ぶりの開催で、県内外で活躍する作家35人が実行委員会を組織して参加する。石や木、鉄、土などを使った作品を巡る総行程は14キロに及び、オリエンテーリングのように鑑賞を楽しめる。同展は11月23日まで。
同展は1996年にスタートし、13回目。大和村(当時、現桜川市)で創作に取り組む石彫家7人が発表の場として始めた。翌年から石以外の素材を扱う作家も加わり、その後は数年に1度の割合で開かれている。
今回は30~80代の作家が参加し、初出展は5人。展示する場所は各自で探し、地権者の許可を取り付ける交渉まで行うのが慣例だ。2011年から参加する彫刻家の渡辺治美さん(76)=埼玉県在住=は、赤御影石を加工して植物の根をイメージした作品「Root」を展示する。「植物のエネルギーはすごい。自分もエネルギッシュに生きたいと表現した」と語る。
前回(22年)はコロナ禍の影響で恒例のバスツアーが中止となったが、今回は有料で復活する。10月12日と11月9日で予約が必要となる。全作品を巡り、作家の解説を聞くことができる。このほか、自転車の貸し出しも有料で行われ、10月26日には作家とのワークショップが開かれる。
同実行委の広報担当で、自らも出展する造形作家の西成田洋子さん(72)=茨城県水戸市在住=は「里山と作品の良さが融合した風景を楽しんでほしい」と呼びかけている。同展の問い合わせは市教委生涯学習課(電)0296(20)6300。