茨城県内突風 現地調査、復旧の動き 広範囲に落雷被害も

茨城県内各地で18日に相次いだ突風被害で、気象庁の機動調査班が19日、2階建ての建物が倒壊した同県つくば市や、クレーンが県道に落下した同県境町を現地調査した。クレーンは撤去され、県道の交通規制が解除されるなど、被災現場では復旧の動きが見られた。一方、県立高の空調故障など、18日の落雷被害が広範囲にあったことも明らかになった。
調査班は両市町に各4人を派遣。つくば市花室の倒壊した2階建て事務所兼倉庫では19日午前11時半ごろ、調査が始まった。突風の種類や強さを特定するため、建物の建材や強度の確認、周辺の住民への聞き込みなどを行った。
水戸地方気象台によると、この日の調査では突風の種類などの特定には至らなかった。
被災現場では復旧の動きが出ている。境町猿山の県道に落下した「天井走行クレーン」(約30トン)は18日午後11時半ごろまでに分解・切断の上撤去され、交通規制も解除された。クレーンからはギヤオイルが漏れていたため、茨城西南広域消防本部と県境工事事務所が処理した。
県防災・危機管理課によると、突風などの被害(19日午後3時現在)はこのほか、両市町で非住家の屋根や外壁、窓ガラスの破損が20件程度、つくば市で住宅6棟の屋根の一部破損や旧国家公務員宿舎の解体現場の足場倒壊、同県ひたちなか市で倒れた電柱が乗用車に当たり3人が一時閉じ込められる被害があった。
県有施設では県立水戸三高でドアの網ガラス1枚が破損。落雷の影響で霞ケ浦環境科学センターでエレベーター停止など施設の使用制限、県立牛久栄進高の防犯カメラ1台と教室など32室の空調故障、県立江戸崎総合高の教室2室の照明故障、笠松運動公園の陸上競技場の館内放送設備や電源基板などの故障が発生したという。