総合商社の関彰商事(茨城県筑西市、関正樹社長)と筑波大(永田恭介学長)は22日、同県つくば市天久保の同大構内で、新たに整備した野球・ソフトボール室内練習場の開所式を開いた。選手の動作を分析できる最新の設備を導入。大学側が授業や部活動で使用するほか、同社が「分析・コーチングサービス」を提供する。

施設名は「インヴィクタス・アスリート・パフォーマンスセンター」。インヴィクタスはラテン語で「無敵」などの意味。同大野球場隣に整備された。

建物は室内練習場(広さ約1700平方メートル)と事務所棟で構成。設置されたハイスピードカメラや弾道測定分析器を用いて投球の動作などを解析できる。ボールのスピードや回転数を数値化し、体験者にフィードバックする。

事業は民間資金によるインフラ整備(PFI)のうち「BTO」と呼ばれる方式を採用。同方式により、関彰商事が建物を整備し、完成後に所有権を筑波大に移転した。施設の運営や維持管理は同社が行う。同社は5月、大学側から得られた知見や技術を生かして野球の技術指導などを行う新会社を立ち上げた。

整備した施設は、平日昼間は授業や部活動で使用。平日夜や休日には、同社が一般向けに分析・コーチングサービスを提供する。

開所式で永田学長は「大学の知見が社会に還元されるのはうれしい。地域にとっても重要な建物になる」と話し、関社長は「アスリートの夢をかなえられるように努力していきたい」と述べた。

開所式の終了後は、永田学長の始球式や、同大硬式野球部投手を対象とした動作解析のデモンストレーションが行われた。