選定療養費 軽症搬送、前年比2割減 6~8月 茨城県調査「一定の効果」
緊急性のない救急搬送患者から追加料金の「選定療養費」を徴収する茨城県主導の制度で、県は25日、6~8月の3カ月間の選定療養費徴収に関する検証結果を公表した。対象22病院での徴収率は3.3%で、茨城県全体の軽症などでの救急搬送件数は前年同期比で2割近く減少した。
県医療政策課によると、対象22病院への救急搬送件数は2万707件で、このうち徴収されたのは673件。症状別では腹痛が最多の55件で、次いで目まい・ふらつき、打撲、風邪の症状、泥酔・酩酊(めいてい)の順に多かった。
茨城県全体の救急搬送件数は、前年同期比8.3%減の3万5491件。一方、近隣5県は福島が0.6%増、栃木、群馬、埼玉、千葉は0.5~4.0%減で、茨城県の減少率が目立つ。
茨城県全体の救急搬送のうち「軽症等」は1万5094件で19.0%減少。中等症以上は2万397件で1.7%増加した。
救急車を呼ぶか迷った際に助言が受けられる救急電話相談は3万6068件で3.7%減った。制度に関する県設置の問い合わせ窓口には36件の問い合わせがあり、このうち10件が徴収されたことへの不満だった。「救急電話相談で救急車を呼ぶよう助言されたが徴収された」との苦情で、返金に至った例も月1件程度の頻度であったという。
救急車の呼び控えによる重症化や医療・救急現場でのトラブルはなかった。
同課は「県全体や対象22病院への救急搬送件数は3~5月と比べて減少していることから、選定療養費の徴収により、救急医療の逼迫(ひっぱく)緩和や救急車の適正利用に一定の効果があった」との見解を示した。












