伝統と現代音楽を融合 笠間稲荷 本殿改修記念ライブ 茨城

本殿が国重要文化財に指定されている笠間稲荷神社(茨城県笠間市笠間)で28日、本殿改修記念奉納ライブが開かれた。改修工事の完了を記念するとともに文化的価値の発信や神社の歴史的意義の再確認などを目的としたもので、伝統と現代音楽が融合した音楽イベントを約350人が楽しんだ。
出演は雅楽とクラシックを組み合わせた「石田多朗×常世」、インドの打楽器とラップを融合させた「U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS」、スリーピースバンドの「冬にわかれて」(寺尾紗穂、伊賀航、あだち麗三郎)。境内にはござを敷いた客席が設けられ、来場者はくつろいで鑑賞。低い目線で出演者と距離が近い一体感のある空間を楽しんだ。
同県桜川市の枝愛子さん(48)と長女のあかりさん(21)は「昔ながらの神社と新しい音楽がマッチし感動した」と話し、愛子さんは「夜の神社は独特の雰囲気」と感想を述べた。
同ライブは胡桃(くるみ)の木の下で考える会(代表・森下征治さん)が中心となり民間や市民主体による新たな文化的取り組みとして主催した。本殿は1861年建立で、保存工事は2022年に着工し屋根の全面修理などをした。