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大相撲秋場所 大の里、横綱初V 豊昇龍との決定戦制す

大相撲秋場所で横綱として初となる優勝を果たし、賜杯を手に喜ぶ大の里=28日、東京・両国国技館(代表撮影)
大相撲秋場所で横綱として初となる優勝を果たし、賜杯を手に喜ぶ大の里=28日、東京・両国国技館(代表撮影)
横綱昇進後初の優勝を果たし、二所ノ関親方(右)に水をつけてもらう大の里=28日午後7時50分、つくば市吾妻
横綱昇進後初の優勝を果たし、二所ノ関親方(右)に水をつけてもらう大の里=28日午後7時50分、つくば市吾妻


大相撲秋場所千秋楽は28日、東京都墨田区の両国国技館で行われ、二所ノ関部屋(茨城県阿見町)の東の正横綱大の里(25)=本名中村泰輝、石川県出身=が2場所ぶり5度目の優勝を飾った。西横綱豊昇龍との優勝決定戦を制し、横綱昇進後初の賜杯を獲得した。大の里は「(昇進して)2場所目で優勝することができてうれしい」と喜びを語った。

単独首位で千秋楽を迎えた大の里は、本割で1差の豊昇龍に押し出され、13勝2敗で並ばれた。優勝決定戦は大の里が勢いよく押し倒した。物言いがつく際どい勝負だったが、軍配通りに勝ち名乗りを受けた。

今場所は4日目に初黒星を喫したが、以降は力強い相撲で白星を連ねた。優勝争いでトップを走っていた豊昇龍が12、13日目に連敗し、トップに躍り出た。14日目は対戦が組まれていた大関琴桜が右膝のけがで休場したため不戦勝。今年の白星を60勝とし、九州場所を待たずに年間最多勝を確定させた。

新横綱として臨んだ7月の名古屋場所は、最高位の重圧に苦しんだ。昭和以降の新横綱で最多の金星4個を配給。11勝止まりで師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里、茨城県牛久市出身)も達成した「新横綱優勝」を逃していた。

横綱同士による優勝決定戦は2009年秋場所の朝青龍-白鵬以来16年ぶりで、最後まで会場を大いに沸かせた。大の里は「たくさんの人に応援された中で優勝できてよかった」と実感を込めて話した。

■心技体充実、前進貫く

番付最高位の東の正横綱に初めて就いた場所で、持ち味の攻撃相撲が真価を発揮した。大の里は横綱昇進2場所目で横綱初制覇。不戦勝を除き過去1勝6敗と苦手としてる豊昇龍に本割では一方に押し出されて敗れるも、優勝決定戦は前に出て寄り倒し、横綱決戦を制した。

身長192センチ、体重187キロの恵まれた体格から繰り出す突き押しが最大の武器。今場所は前に出る意識をより高めて臨んだ。

初日に新小結の安青錦を圧倒。格の違いを見せつけた。3日目は過去に3敗している阿炎に完勝するなど、相手を圧倒する内容で着実に白星を並べた。相手の攻めに押される場面もあったが、こらえて攻め返す技もさえた。

「体」と「技」の充実ぶりだけでなく、「心」の強さも示した。これまでは苦しい体勢になると安易に引く悪癖が見られたが、賜杯を引き寄せられたのは、前に出る姿勢を貫いたからだ。

14日目は琴桜が休場したため不戦勝。取組が1日空いても「しっかり気持ちを整える」と緊張の糸を切らすことなく、千秋楽を迎えた。本割は「(優勝への)欲が出た」と豊昇龍の気迫に押されたが、「これ以上マイナスはない」とすぐに気持ちを切り替えた。

決定戦は立ち合いから力強く前進。豊昇龍に土俵際で粘られ、物言いはついたが「体は勝っていた」と勝利を確信する内容だった。心技体がそろった相撲で突き進み、横綱初優勝に花を添えた。

■「逆に吹っ切れた」

横綱として初優勝を果たした大の里は、安堵(あんど)の表情を浮かべながら報道陣の取材に答えた。一問一答は次の通り。

-横綱として初優勝を果たした。

先場所は苦しい経験をして、もうあの経験は二度としたくないと稽古に励んだ。優勝することができてうれしい。

-本割から、どう気持ちを切り替えた。

(二所ノ関)親方からは「淡々といきなさい。(優勝を)考える必要はない」と言われていたが、本割は欲が出た。(本割は)最悪の相撲だった。これ以上マイナスはないと逆に吹っ切れた。

-優勝決定戦は物言いがつく内容だった。

どうかなっという感じだったが、体は勝っていたと思っていた。

-苦手としている豊昇龍との対戦だった。

本割で決めたかったけど、最後こういう形(優勝決定戦)で決められてよかった。

-昨年は優勝が2度で、今年は3度目。

両国(国技館)では優勝できているが、地方場所でよくない成績が続いている。(次の)九州場所はしっかりやりたい。

-九州場所を残し、年間最多勝が決まった。

今年は取りたいと思っていた。一場所残して取れたのでびっくりしている。けれども来場所も大事になる。

-今後の目標は。

目標はしっかり内に秘め、達成できるように頑張る。

■大の里泰輝(おおのさとだいき=本名中村泰輝)

2000年6月7日生まれ、石川県津幡町出身、二所ノ関部屋(阿見町)。新潟・海洋高-日体大。2年連続でアマチュア横綱に輝き23年に角界入り。同年夏場所幕下10枚目格付け出しで初土俵。新小結の24年夏場所で幕内初優勝。同年秋場所で2度目の優勝を飾り大関に昇進。25年夏場所で2場所連続4度目の優勝を遂げ、横綱に昇進。初土俵から所要13場所での昇進は1958年以降初土俵の力士で最速。優勝5回。殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞3回。得意は突き、押し、右四つ、寄り。192センチ、187キロ。25歳。生涯戦歴159勝50敗(15場所)。幕内戦歴125勝40敗(11場所)。




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