大の里V「令和の大横綱に」 期待と喜びの声 茨城・つくばで支援者ら祝賀会
大相撲秋場所で横綱大の里が横綱初優勝を果たし、所属する二所ノ関部屋(茨城県阿見町)が28日夜、同県つくば市内のホテルで祝賀会を行った。16年ぶりの横綱同士の優勝決定戦を制して成し遂げた偉業に、集まった支援者やファンから「名実ともに頂点」「令和の大横綱になって」などの期待と喜びの声が上がった。
千秋楽の横綱決戦は相撲ファンが待ち望んだ舞台。本割で豊昇龍に破れたものの、優勝決定戦では大の里らしい取り口で勝利をつかんだ。
同県土浦市の古渡登志男さん(63)は「横綱になって初優勝。名実ともに頂点になった」と笑顔。今後について「けがだけはすることなく優勝を重ねてほしい」と期待した。阿見町の小林啓子さん(52)も「白鵬が打ち立てた歴代最多45回の優勝まであと40回。大の里ならこの大記録を塗り替えてくれるはず」と話した。土浦市の沼田浩司さん(57)は「二所ノ関部屋が阿見町に開設された2022年から応援している。令和の大横綱になってほしい」と語った。
祝賀会では多くの支援者たちを前に、二所ノ関親方(39)=元横綱稀勢の里、同県牛久市出身=があいさつし、2場所ぶり5度目の優勝を果たしたまな弟子について「良く修正して決定戦に臨んだ。わが弟子ながら良くやった」と健闘をたたえた。
先場所は新横綱で最多の金星4個を許し、11勝止まりだった大の里。今場所は4日目に黒星を喫したが、その後は持ち前の力強い攻めで相手を圧倒した。二所ノ関親方は「場所前から調子が良く、今場所はやってくれると思っていた。稽古はうそをつかない。今後も稽古場を大事にして、来場所に向けてしっかり指導していきたい」と話した。
午後7時45分ごろ、横綱大の里が支援者らが待つ祝賀会会場に到着すると、「おめでとう」と大きな拍手が送られた。大の里は「おかげさまで5度目の優勝をすることができた」と笑顔で報告。「本割で負けた時はどうなることかと思ったが、うまく気持ちを切り替えて優勝できた」と心境を語った。
祝賀会後の会見では「先場所の反省を生かして臨んだ」と振り返った大の里。今場所では優勝だけでなく、九州場所を待たずして年間最多勝も決め、圧倒的な力を見せた。「しっかり次の場所も優勝できるように頑張りたい」と先を見据えた。
■阿見 ファン集い歓声 PV観戦「おめでとう」
大相撲秋場所千秋楽の28日、二所ノ関部屋(阿見町)所属の横綱大の里を一丸となって応援しようと同町本郷の本郷ふれあいセンターでパブリックビューイング(PV)が開かれ、大勢の地元ファンが駆け付けた。大の里が豊昇龍との優勝決定戦を制し、横綱昇進後初の優勝を手にすると、「おめでとう」と割れんばかりの歓声が響いた。
会場には町民ら約80人が集まり、バルーンスティックやタオル、手製のうちわなどの応援グッズを手に観戦。大の里は本割で敗れたものの、集中した表情で再び土俵に向かう姿に「いいぞ」「頑張れ」とかけ声が飛んだ。優勝決定戦で豊昇龍を寄り倒しで下すと、町民らは総立ちになり、抱き合って喜んだ。
会場で観戦した千葉繁町長と子どもたちは、くす玉を割って栄冠を祝福。千葉町長は「良い相撲を取れば優勝もついてくるのだと感じた。技術面も精神的にも成長が感じられる場所だった」と目を細めた。
家族で応援に訪れた町内の小学4年、内出沙織さん(10)は「いつも通り力強くて、かっこよかった。これからも応援するので、みんなのお手本になる輝く横綱でいてほしい」とエールを送った。
■大井川知事 県民に夢・希望
横綱大の里が優勝を決め、大井川和彦知事は「横綱昇進後初となる5度目の優勝を果たされたことは、多くの県民に新たな喜びと夢、希望をもたらしてくれる。今後も横綱として、ますます活躍されることを強く期待している」との談話を発表した。












